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 米Intel(インテル)社のCircuits Research LabsのSenior Principal EngineerのSanu Mathew氏は、ドイツ・ドレスデンで開催の電子設計・テスト技術に関する国際学会「2018 Design, Automation & Test in Europe:DATE 18」(3月19日~22日)に登壇し、IoTエッジに向けた消費電力が非常に低いセキュリティー回路3種を紹介した。同氏はIEEE Fellowで、2017年のICテストの国際学会「ITC(2017 International Test Conference」(米テキサス州フォートワースで10月31日~11月2日に開催)において基調講を行っている(関連記事)。

Sanu Mathew氏。日経 xTECHが撮影
Sanu Mathew氏。日経 xTECHが撮影

 IoTがエレクトロニクスの次の成長のけん引役として取り上げられて久しい。当初は掛け声だけが響いていたが、最近は、実際に使える電子部品や半導体が市場に出回ってきた。例えば、エッジ機器で使うためには、低消費電力は必須条件である。実際、DATE 18と同じドイツで1カ月ほど前に行われた、エッジ機器などの組み込み電子機器の開発に向けた展示会「embedded world 2018」では、低消費電力で小型の電子部品や半導体が多数発表された(関連記事一覧関連日経エレクトロニクス記事)。

 今回Intelが発表した3つの回路は、いずれもプロセッサーなどのICに集積することを前提にしたものである。低消費電力で小チップ面積という特徴を持つ。Intelの製品というとIoTのクラウドサーバーに向けた高性能なマイクロプロセッサーが目立つが、研究所では着々とIoTエッジ向けの回路も開発していたことを今回の講演を聞いて改めて認識した。なお、紹介のあった3つの回路は、過去に別の学会などで発表されているようだ。市場に先行するという意味で研究所としては正しい仕事と言える。後述するように、3つの回路はIntelのプロセスを使って試作・評価されているが、製品に搭載されたかどうかについては講演では明確にされなかった。