三菱ケミカルはバイオ樹脂で塗装レス
素材メーカーの三菱ケミカルは、植物由来のバイオエンプラ素材であるバイオポリカーボネートである「DURABIO」(デュラビオ)を使用した部品群を展示した。同素材は開発当初はスズキの販売車種の内装材に使用され、その後マツダと共同開発した製品では「ロードスター」のインストルメントパネル用ガーニッシュなどで採用された。
外装部品としてピラーガーニッシュなどにマツダの各モデルに使用を進め、2017年末には大型部品として「CX-5」のフロントグリルに使用した。同素材は成形工程で着色成分を混入するため、塗装/コーティングの工程を不要としつつ、耐候性および耐UV性の高さを利点としており、今回の展示では、耐薬品性や長期耐久性などを向上させた新グレードを紹介、エンジンルームなどへの使用を狙って開発を進めている。
さらに同社は、CFRP(炭素強化繊維樹脂)素材を使用した製品を展示した。3~5分の高い硬化性をプリプレグで実現した上で汎用油圧プレス成形機の使用が可能な「プリプレグ・コンプレッション・モールディング」技術を紹介。採用例として、Audi「RS5クーペ」用CFRPルーフを展示。トヨタ「プリウスPHV」のテールゲートは、数cmの短い繊維長の炭素繊維を樹脂中に分散させたシート状の材料として採用されたCF-SMC(シートモールドコンパウンド)の採用例として紹介された。