PR

 EXTRABOLD(エクストラボールド、本社東京)は、小型乗用車に相当する3.8m大の造形ができる大型プリンターの開発を進めていると明らかにした。初号機を2018年11月に完成させる予定で、技術検証のための試作機を第29回設計・製造ソリューション展(DMS、2018年6月20~22日、東京ビッグサイト)に出展。「開発目標に比べて試作機はサイズが半分以下で造形速度も遅い」(EXTRABOLD代表取締役の原雄司氏)が、会場で実際に造形を実演した(図1)。

図1 設計・製造ソリューション展で実演した試作機
図1 設計・製造ソリューション展で実演した試作機
外形は1.7×2×2.1m、造形エリアは0.8×1.4×1.1m。ノズル径1~5mm、最大吐出量は毎時5kg。
[画像のクリックで拡大表示]

 溶融樹脂を吐出するヘッドには、小型の射出成型機の射出ユニットと同等の装置を使用。すなわち、加熱用ヒーターを付けたシリンダー内部に混錬、射出用のスクリューを備える。これにより、射出成型機と同様にペレット状の材料を使用でき、通常の3Dプリンターのようなフィラメントに加工した材料は必要ない。DMSではオレフィン系エラストマーのペレット材を利用して造形。試作機のフレームに取り付けたホッパーからヘッドへは、空圧でペレットを搬送する。

 射出ユニットで3Dプリンターを構成する考え方は「もともとやりたかったことの1つ。むしろ、世の中のプリンターがなぜみんなフィラメントなのか、と思っていた」(原氏)。フィラメントに比べてペレットは安価であり、大型の造形物では材料コストの点で有利になる。ヘッドの技術は、試作機の製造を担当したエス.ラボ(本社京都市)による。