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 今や、さまざまなサービスやソフトウエアがクラウド経由で提供されている。いよいよと言うべきか、ようやくと言うべきか、半導体やICを設計するEDA(Electronic Design Automation)ソフトウエアにもクラウドサービスの時代がやってきた。エレクトロニクス設計の国際イベント「55th Design Automation Conference(DAC 2018)」(米サンフランシスコで6月24日~28日に開催)では、大手EDAベンダーの米Cadence Design Systems社と米Mentor, a Siemens Business社それぞれが、米AWS(Amazon Web Services)社と手を組むことなどを発表した。

Craig Johnson氏(左)とCarl Siva氏(右)。日経 xTECHが撮影
Craig Johnson氏(左)とCarl Siva氏(右)。日経 xTECHが撮影
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 2社のうちCadenceは「Cadence Cloud」というブランドで、複数の形態でユーザーがクラウドサービス上でEDAツールを利用できるように対応する(日本語ニュースリリース1日本語ニュースリリース2)。DAC 2018の会場で同社のCraig Johnson氏(Corporate Vice President, Marketing & Strategy)とCarl Siva氏(Vice President, IT, R&D Solutions, Global Information Technology)に話を聞いた。これまでEDAツールはほとんどがユーザーが保有するコンピューターシステム(いわゆるオンプレミス環境)で稼働していた。これまでにも、EDAベンダーはリモートサービスの形でEDAツールを使ってもらう試みを行ってきたものの、開発中の製品やICの機密保持の観点から、あまり関心を示してもらえなかった。

クラウドの利用履歴は長いという。Cadenceのスライド
クラウドの利用履歴は長いという。Cadenceのスライド
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 Siva氏によれば、AWS社や米Google社、米Microsoft社などが展開するクラウドサービスが普及するにつれて、セキュリティーに関するユーザーの懸念が小さくなり、今回、正式に発表することにした。同氏によれば、数年前からCadenceのR&D部門は、クラウドサービスを本格的に利用してきており、クラウドサービスの利用ノウハウが蓄積した。そして1年ほど前から特定ユーザー顧客に対して、クラウドサービスを利用するEDAツールの提供を開始した。ユーザーの評判は良く、今回のDACの初日にプレスリリースを出して、一般ユーザーにも広げることにしたという。

 Johnson氏によれば、クラウドサービスを利用することで、これまでユーザーが抱えていたリソースの悩みを解消できるとする。すなわち、ピーク時にはリソースが足りないが、オフピーク時はそれが余ってしまう。クラウドサービスを利用することで、この悩みを無くすことが可能だとした。必要に応じてクラウドに用意されたリソースを使えば、良いからだ。