AI(人工知能)、IoT(Internet of Things)、ロボティクス、ブロックチェーンといった革新的なテクノロジーの進化と共にやってくる「デジタル時代」――。これをどう生き抜くかが、あらゆる業種で共通の課題となっている。「日経 xTECH EXPO 2018」(2018年10月17~19日、東京ビッグサイト)の基調講演では、各業界の有力企業であるSOMPOホールディングス、オムロン サイニックエックスからキーパーソンを招き、5年後の社会を形づくる技術の展望を聞いた。
5年後の近未来、社会や産業の構造はどう変わる。
オムロン 諏訪氏 ヘルスケアやモビリティーなどの技術を幅広く手掛けているのがオムロンの特徴である。5年後の世界を考えると、特にクルマでは自動運転化が一層進む。しかし、まだ人間が運転に関与する技術水準にとどまりそうだ。機械と人間が共存して運転できるように、オムロンでは運転者の状態を監視するセンサー技術の開発を進めている。緊急時に運転の権限を車両から運転者に滑らかに移せるように、運転者が何をしているのかクルマが把握する必要があるからだ。
製造業の全体に関わる問題として避けられないのが高齢化だ。特に日本では、5年後は今よりも深刻さが増す。熟練した技術者の数がどんどん減っていく中で、いかに機械を一連の開発・製造プロセスの中に組み込めるかが重要になりそうだ。