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 米国アリゾナ州フェニックスで開催中の、エレクトロニクス分野のテストに関する国際イベント「ITC(International Test Conference)2018」(10月28日~11月2日)の併設イベントとして、今年も「Industry Test Challenges Meeting」が実施された。企業から先端事例などに関する複数の講演があった。今年は初めて日本企業が講演した。ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングである。

 Industry Test Challenges Meetingは、昨年まで米GLOBALFOUNDRIES社のP. Nigh氏が主宰するITC併設イベントとして毎年開催されてきた。今年はNigh氏の事情により開催が危ぶまれていた。しかし、米Advanced Micro Devices社のJ. Rearick氏とG. Giles氏がNigh氏に代わって今回の会議を主宰することになり、例年通りに開催されることになった。

 今回も、企業からの講演に加えて、各社の専門家を集めたパネル形式の討論セッションが設けられ、様々なテストの課題に関して意見が述べられた。講演では、さまざま分野のホットな話題が提供された。その中で筆者が気になったのが標準化に関する報告で、2件の講演があった。まず、この2件の講演について概要を紹介する。

 1件目は、米Texas Instruments社の講演で、RITdb(Rich Interactive Test Database)に関するもの。RITdbはテストデータをリアルタイムでやり取りするための枠組みとして、SEMIのCAST(Collaborative Alliance for Semiconductor Test)で業界標準化を進めている規格である。まもなくP008というドラフトが発行され、来年の早い時期の投票に向けて準備が進められている。データのセキュリティーや正当性にも対応しており、同社では既に利用しているとのことだった。従来の業界標準のテストデータ規格であるSTDF(Standard Test Data Format)からの自動変換ツールもできている。今後はテストを超えた広い範囲の後工程への拡張も計画されているとのことである。今後の動向が注目される。

 2件目は、米Mentor, a Siemens Business社の講演で、アナログテストのカバレッジに関するもの。車載用ICの機能安全規格である「ISO26262」ではデジタル回路のテスト品質に関する規定があるが、アナログ回路に関しては明確な評価尺度が定まっていない。そこで、今年初めからIEEEでの標準化を目指して、P2427のワーキンググループ(WG)が設置された。この中では、欠陥や故障の定義をはじめ、欠陥の発生確率を考慮した欠陥検出率や故障検出率の定義の明確化を行なっている。早期のドラフト作成に向けて急ピッチでの検討が進められており、まずは必要最小限の範囲での標準化を目指しているとのことだった。こちらも、今後の動向から目が離せない。