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オンセミは高出力パワーカード

 米ON Semiconductorも、新たな車載用パワーモジュールを出展した。両面冷却可能なカードタイプの小型IGBTモジュール「VE-Trac Dual」である。駆動システムの出力が80k~150kWのハイブリッド車や電気自動車といった電動車両に向けたもの。「これまでは、求められる出力が小さいマイルドハイブリッド車(MHEV)向けのパワーモジュールを手掛けてきた。HEVやEVに向けた製品としては、(今回の開発品が)初めてとなる」(説明員)という。2019年第3四半期の製品化を予定する。

両面冷却可能なカードタイプの小型IGBTモジュール「VE-Trac Dual」
両面冷却可能なカードタイプの小型IGBTモジュール「VE-Trac Dual」
上側にあるのが水冷用の冷却器。同モジュールを上下に挟んで冷やす(撮影:日経 xTECH)
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 開発品のようなタイプのIGBTモジュールは、トヨタ自動車のプリウスなどに採用されており、省スペース化を求めるクルマで主流になっている。車載パワーモジュール業界では「パワーカード」と呼ばれており、競合各社が精力的に開発している。その中で、オンセミの開発品の特徴は、「出力電流が大きいこと」(説明員)である。例えば、耐圧750V品では、出力電流は800A、同1200V品では400Aである。連続動作時の最大接合温度は(Tjmax)は175℃と高く、出力向上に貢献した。インダクタンス成分も小さく、7nHを下回る。このため、高速スイッチングに向くとする。

 開発品は、ハイサイド側とローサイド側のパワー素子を搭載した、いわゆる「2 in 1」パッケージ品である。そのため、3相交流のインバーターを実現する際は、3つのモジュールを利用する。高出力が求められる場合、さらに多くのモジュールを利用して対応できる。会場で見せていた資料には、最大300kW対応とあった。モジュール6個で、300kW級の3相インバーターに対応するとみられる。

「VE-Trac Dual」で構築したインバーターのサンプル
「VE-Trac Dual」で構築したインバーターのサンプル
下側の大きな物体はDCリンク用のキャパシター(撮影:日経 xTECH)
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