パナソニックは、ロボットやAGV(無人搬送車)などに向けたToF方式の距離画像センサー(ToFセンサー)の次世代品を開発し、「electronica 2018」に出展した。特徴は、3次元(3D)の距離画像と2次元(2D)のモノクロイメージ(画像)を同時に取得できること。これにより、物体の認識精度の向上につながるという。20m前後までを高精度に認識できるとする。加えて、3Dデータを取得するセンサー(受光素子)と2Dのイメージデータを取得するセンサー(受光素子)を別々に用意する場合に比べて、実装空間の削減が可能になる。両センサーを同一光軸上に配置できるので、別々に実装する場合に比べて、光軸のずれを補正する処理を省略しやすい利点もある。
説明員によれば、パナソニックは、3Dデータだけを取得するToFセンサーを、既に民生機器向けで量産済みだという。「これまで積極的に情報発信していないこともあって、パナソニックがToFセンサーを量産していることは、実はあまり知られていない。だが、AGVやロボット向けなど、今後さまざまな分野に拡販するに当たり、展示会に出展するなど、積極的にアピールしていく」(説明員)考えだという。なお、搭載された機器について詳細を明かしていないが、スマートフォンの顔認証機能で採用された可能性が高い。今回開発した、3Dと2Dを同時に取得できるToFセンサーは現在サンプル出荷中で、2020年の製品化を目標に掲げている。