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通信性能を大幅に改善する「ブランチコンセプト」

 EtherCAT Gや同10Gは、直ちにEtherCATを置き換えるものではなく、当面はEtherCATネットワークを補完するものという位置付けである。もともとEtherCATのプロトコルは通信サイクルが高速になるように最適化されており、物理層の通信速度を高めるだけでは、通信サイクルはそれほど改善されないからだ。

 例えば、EtherCATで1台のマスターに128台のサーボドライブ(スレーブ)を直列接続したネットワークのサイクルタイムは237μ秒である。一方、同Gで同じネットワークを構成する、すなわちマスターやサーボドライブ、Ethernetケーブルを全て同G対応品にした場合のサイクルタイムは150μ秒である。確かに高速化しているが、通信速度が100倍になったからといって、サイクルタイムが1/100になるわけではないことが分かる。

同様の制御システムをEtherCAT(左)とEtherCAT G(右)で構築した場合のサイクルタイムの比較。EtherCAT Gを使えばサイクルタイムは短くなるが、通信速度ほどの違いはない。(出所:Beckhoff Automation)
同様の制御システムをEtherCAT(左)とEtherCAT G(右)で構築した場合のサイクルタイムの比較。EtherCAT Gを使えばサイクルタイムは短くなるが、通信速度ほどの違いはない。(出所:Beckhoff Automation)
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 Beckhoff Automationが提案しているのは、既存のEtherCATネットワークを単純に同Gや同10Gに置き換えるのではなく、同Gや同10Gをいわば“幹線道路”として活用し、そこにEtherCATネットワークをぶら下げることで、ネットワーク全体の通信性能を改善するというものだ。ここで鍵となるのは、同社が新たに提唱した「ブランチコンセプト」という考え方である。