「CES 2019」(2019年1月8日~11日、米ラスベガス)では、5GやIoTなどネットワーク社会のインフラとなる技術がホットな話題だった。一方、これまでCESのトッピックスとなってきた大画面テレビの表示デバイス(ディスプレー)技術は、今なお進化を続けている。有機EL(OLED)や量子ドット(QD)に続き、マイクロLEDやミニLEDといった新技術を使ったディスプレーの参入が相次ぎ、映像表現力の拡張に向けてしのぎを削る。特に、この1年で急速に増えたのが、ミニLEDを液晶(LCD)の直下型バックライトに使ったテレビである。今回のCESにおける大画面テレビの目玉の1つだったといえる。
今回のCESで展示された大画面テレビの表示デバイス技術を分類したのが、図1である。最近の大画面テレビといえば韓国LG電子(LG Electronics)と韓国サムスン電子(Samsung Electronics)による「OLED」と「QLED」注1)の対決が話題だが、それら以外にも多彩な技術が登場していることが分かる。特に液晶テレビでは、ミニLEDバックライトやデュアルセルの技術によって、コントラストや輝度を大幅に高め、これらの性能で有機ELを超える大画面テレビが多数展示された。この1~2年の注目株のマイクロLEDディスプレーについても、ソニーやサムスン電子に続くメーカーが現れている。特に、ほとんどの中国テレビメーカーがこれらの新技術を積極的に展示しているのが目を引いた。