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 楽天の三木谷浩史会長兼社長は2019年2月27日、スペイン・バルセロナで開催中の「MWC19 Barcelona」会場で日本メディアと会見した。2019年10月に開始予定の自社回線による携帯電話サービスの準備が順調に進んでいるとした。サービス開始後は携帯電話網の構築で全面採用したネットワーク機能の仮想化(NFV)や、楽天の既存サービスで培ったノウハウなどを生かし、電話の翻訳サービスやQRコード決済の処理の高速化といった付加サービスに取り組みたいとの意向を示した。

日本メディアとの会見に臨んだ楽天の三木谷浩史会長兼社長
日本メディアとの会見に臨んだ楽天の三木谷浩史会長兼社長
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 楽天は今回のMWC19で、全国規模でNFVを導入する計画を海外向けに積極的にアピールしている。その反響について三木谷氏は「衝撃が走ったというのが正しい表現。これはすごいという人もいるし、今まで我々がやってきたネットワーク構築手法は何だったのかという人もいる。海外の通信事業者からは、楽天のプラットフォームは国際的に使えるのかといった質問をいただくし、世界的に大きなキャリアの社長からは『勉強させてほしい』と言われたりしている」とした。

 携帯電話の基地局の設置状況については「基地局の設置場所を決める、(ビルオーナーなどから)口頭でOKをもらう、実際に建設するなどいくつか段階があるが、全般的に順調」と表明。2019年2月20日にはネットワークの試験施設も立ち上げており「今のところ10月の稼働開始に向けて順調に準備が進んでいる」とした。

 NFVやITサービスの経験を生かした自社回線ユーザー向けの付加サービスについては「全国に数千カ所保有するエッジサーバーを生かせる」とした。一例として「楽天ペイ」などのQRコード決済を挙げ、現状では決済時の処理待ちに数秒かかるものが、5Gやエッジサーバーを使うことで待ち時間を減らせるとの認識を示した。

 それ以外にも「車の自動運転の監視やドローンの遠隔操縦などもできる。通話の音声もVoLTEになっており、リアルタイムの通訳サービスなど多彩な新サービスをプラグインできる。家庭向けの固定通信サービスとして、NTTの光回線の代わりに5Gを使うこともできる。光回線を自前で持たないデメリットをメリットに変えたい」と表明した。

 公正取引委員会が2019年2月27日、楽天やアマゾン・ジャパンなどを含むネット通販大手各社を一斉調査すると表明したことについては「私はバルセロナにいて詳しい情報がないが、基本的にはビジネスモデルの進化、状況の変化があるので、(公取委との)相互理解のもと良い方向に行けばよいと思っている」とコメントした。

 そのうえで「何となく流れに乗って全てを規制するということになるとビジネスモデルの進化が止まってしまう。プラットフォームの定義は何か、プラットフォームは何をして良くて何をしてはいけないかをまず明確にすべきで、親方日の丸で事業者に不安を与えるようなことは避けていただきたい」と苦言を呈した。