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 電子機器内部で局所的に発生する熱対策として欠かせないのが熱を伝えたり拡散させたりするための放熱材料だ。「TECHNO-FRONTIER 2019」(2019年4月17日~19日、千葉市・幕張メッセ)では各社が性能や利便性を高めた開発品などを展示していた。

 グラフェンを使った放熱材を展示していたのは、グラフェンやカーボンナノチューブ(CNT)といったナノカーボン材料の実用化に取り組む研究開発型企業のインキュベーション・アライアンス(同社ホームページ)。同社は黒鉛からグラフェンを量産する技術を核に展開するベンチャー企業で、同技術により生産したグラフェンのブロックからスライスするなどの加工により放熱材を作り出す。熱伝導率が800W/(m・K)と高く、スライスの向きにより特定の平面方向への熱伝導度が高いことを特徴とする。平面状に熱を拡散するヒートスプレッダーや放熱用のヒートシンク、放熱シートなどに応用できるとみる。最も薄いものは厚さ0.4mmで、30mm以上に厚く加工することも可能とする。

 シートとして利用する場合、スライスの方向により熱伝導方向を制御できる。従来、グラファイトシートなどを使っていた用途のうち、熱の輸送量を増やしたいケースなどに向ける。5Gで期待が集まるゲーム用スマホなどから引き合いがあるという。現在、サンプル評価中で、量産時期は未定とする。

 積水ポリマテックは、放熱シートの新製品として、熱伝導率が35W/(m・K)の「MANION-D7」と45W/(m・K)の「MANION-D9」を出展した。同シリーズでは、熱伝導率が600W/(m・K)と高い炭素繊維をフィラーとし、超電導マグネットによる磁場を与えることで繊維の配向をそろえるという製法を採用する。フィラーの充填度が低くても熱伝導性を高められるため、シートの柔軟性を確保できるという特徴があるとする。従来に比べてより高い熱伝導性が求められるようになったため、今回の熱伝導率が高い製品を開発したという。MANION-D7は試作向け量産が可能で、MANION-D9はサンプル提供中という。本格量産の時期は未定とする。

積水ポリマテックの展示
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積水ポリマテックの展示
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積水ポリマテックの展示
サンプルの展示も行っていた。35W/(m・K)の「MANION-D7」は手で触るとひんやり感があった(撮影:日経 xTECH)