「COMPUTEX TAIPEI 2019レポート」は、台湾VIA Technologiesの話でしめたい。同社は「COMPUTEX 2019」にブースを構えていないが、スマートフォンベースの自動運転プラットフォームを開発し(ニュースリリース1)、そのデモンストレーションを台湾で実施した。筆者は、その実車デモンストレーションを体験しており、以下でそれを紹介する。
VIAは、かつてMPUのチップセットを開発し、次いでx86互換MPUをベースにした組み込みソリューションを提供してきた。すでにSoC開発から基本的には手を引いており、代わりに「Arm」ベースの市販SoCを利用したシステムソリューションを提供している。ちなみに使うArmベースSoCはハイエンドならば米Qualcommの「Snapdragon」、メインストリームはオランダNXP Semiconductorsの「i.MX」である。VIAのRichard Brown氏(VP, Marketing)は、「もしバリュー向けの低価格ソリューションが必要なら台湾MediaTekのSoCを使う」という(写真32)。ソリューションの中にはSOMなどのボード製品も含まれており、システム一式を同社から納入することも可能である。
VIAは自動車向けビジネスに参入しており、例えば、2016年にはJapanTaxiと共同でスマートIoTモビリティシステムを発表している(ニュースリリース2)。今回、VIAはスマートフォンを使って自動運転を行うシステムについて発表した。スマートフォン上では同社が開発した「Adaptive Cruise Control」と「Lane Keeping Assist System」「CAN Bus Integration」というソフトウエア群が稼働しており、カメラからの映像を基に自動運転制御を行う。スマートフォンをUSB経由でODB IIポートに接続して、ステアリング/アクセル/ブレーキを制御する(写真33)。