「当社のパワートレーン部門は5万人の人員を抱えているが、その半数が内燃エンジンの開発に従事している。(電動化によって)彼らの技術や知識は役に立たなくなるため、配置転換を進めていく」――。

 2025年をめどに内燃エンジンの開発を終了する意向を示したドイツ・コンチネンタル(Continental)。同社CEO(最高経営責任者)を務めるエルマー・デゲンハート(Elmar Degenhart)氏は、内燃エンジン開発を担当する従業員2万5000人を成長領域の職種に転換させていく方針を明かした。

 Continentalが成長市場と位置付けるのが、ソフトウエアの領域だ(図1)。Degenhart氏は2019年7月上旬にドイツ・ハノーバーで開催した技術取材会「TechShow 2019」で、「今後10年間で自動車産業の規模は2倍に拡大するが、成長分のほとんどはソフトウエアによるものだ」との将来予測を披露した。

図1 リアルタイムの道路データをクラウドに収集するシステム「eHorizon」
図1 リアルタイムの道路データをクラウドに収集するシステム「eHorizon」
Continentalが開発を進めるコネクテッド機能で中核を担うのは、ハードウエアではなくソフトウエアだ。(出所:Continental)
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 同氏によると、2019年の自動車市場は2兆7800億ユーロ(1ユーロ=125円換算で約348兆円)で、このうち2兆4700億ユーロ(約309兆円)をハードウエア関連が占める。2030年には市場全体が5兆5000億ユーロ(約688兆円)になるが、ハードウエア関連は2019年比で微増の2兆8000億ユーロ(約350兆円)にとどまる。

 自動車市場の成長を一手に担うソフトウエア関連は、2030年には2兆7000億ユーロ(約338兆円)まで膨らむ。ソフトウエア関連の内訳を見ると、新型車に搭載するソフトウエアが1兆2000億ユーロ(約150兆円)で、SaaS(サース、Software as a Service)関連が1兆5000億ユーロ(約188兆円)である。

 SaaSとは、インターネットを使ってクラウド上に保存されたソフトウエアを利用するサービスのこと。SaaSはIT業界では広く活用されているが、自動車業界では「まさにこれから市場規模が爆発的に大きくなる」(Degenhart氏)段階にある(図2)。2019年現在は300億ユーロ(約3兆7500億円)程度と小さく、今後10年ほどで40倍になるほどの「大きなポテンシャルを秘める」(同氏)。

図2 ContinentalでCEOを務めるElmar Degenhart氏
図2 ContinentalでCEOを務めるElmar Degenhart氏
2019年7月上旬にドイツ・ハノーバーで開催した技術取材会「TechShow 2019」でコネクテッドカーの取り組みやソフトウエアの重要性を語った。(撮影:日経Automotive)
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