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 ドイツBMWは2019年8月28日、9月にドイツで開催される「フランクフルトモーターショー2019」(IAA 2019、一般公開日:2019年9月14~22日)に、新型「X6」にベンタブラック塗装を施したショーカーを出展すると発表した。ベンタブラックの開発企業、英サリーナノシステム(Surrey NanoSystems)とBMWが共同で製作した、1回限りのモデルとなる。

(写真:BMW)
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 ベンタブラック(VANTAblack:Vertically Aligned NanoTube Arrays)は、文字通り垂直に並んだカーボンナノチューブの配列で、可視光を99.9%以上吸収し「世界で最も黒い黒」と呼ばれる。この物質の表面に当たる光はほぼ完全に吸収され、熱に変換されるため、人間の眼には穴のように見え、物体の形状が分かりにくくなる。

(写真:BMW)
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 今回、X6に施したコーティング剤「Vantablack VBx2」は、建築・科学用途向けに光の反射率を1%に上げたものという。噴霧コーティングが可能で、あらゆる角度からの光を少量だけ反射する「スーパーブラック」となる。少量反射が可能になったことで、ベンタブラック塗装したX6は、人間が形状を認識するヒントを十分に与えているという。

(写真:BMW)
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 この技術は、宇宙用部品のコーティング用として開発された。430℃という比較的低い温度でコーティングできるため、アルミニウムなどのデリケートな材料にも適している。Surrey NanoSystemsが開発した第1世代のベンタブラックは、光の吸収率が最大99.965%で、光学機器の鏡筒内部などに使用すると、迷光と呼ばれるわずかな反射光をほぼ完全に排除できるという。

(写真:BMW)
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 現在、この材料は自動車業界向けには、運転支援システムや自動運転技術などに使われるレーザーセンサー機器に使用されている。反射光がシステムの感度を低下させるような問題を排除できるという。