2016年に世界的な社会現象を巻き起こした米ナイアンティック(Niantic)の「Pokémon GO(ポケモンGO)」以来、続々と登場している「位置情報ゲーム」。スマートフォン(スマホ)のGPSデータを活用し、現実空間で歩き回りながら遊べる位置情報ゲームは、ゲームの面白さに加えて、プレーヤーの健康促進や移動に伴う経済の活性化にも期待が集まる。

セッションの様子
セッションの様子
(撮影:木村 輝)
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 「東京ゲームショウ2019」(2019年9月12~15日、幕張メッセ)で開催されたパネルセッション「位置情報ゲームサミット~新たなゲームジャンルが導く未来」では、そんな位置情報ゲームの現状と未来についての議論が繰り広げられた。登壇したのは、ナイアンティック カントリー マーケティング マネージャーの山崎富美氏、MIRAIRE 代表取締役CEOの志賀雄太氏、リアルワールドゲームス 代表取締役の清古貴史氏、そしてモバイルファクトリー 代表取締役の宮嶌裕二氏。モデレーターは日経 xTECH 副編集長の山田剛良が務めた。

MIRAIRE 代表取締役CEOの志賀雄太氏
MIRAIRE 代表取締役CEOの志賀雄太氏
(撮影:木村 輝)
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 位置情報ゲームの魅力のひとつが、ゲームを遊びながら町なかの魅力を再発見できることである。MIRAIREの志賀氏は「普段は気付かないような地元のお地蔵さんや記念碑のようなスポットの存在を再発見させるポテンシャルが高い」と指摘する。リアルワールドゲームスの清古氏は、自身も相当やり込んでいるというナイアンティックの「Ingress(イングレス)」について、「自分が新たに発見した場所を『ポータル』として申請するとゲームに反映される。この体験が新鮮で、誰も行ったことのない場所を見つけるために、地元からどんどん遠くに出かけるようになった」と話す。

リアルワールドゲームス 代表取締役の清古貴史氏
リアルワールドゲームス 代表取締役の清古貴史氏
(撮影:木村 輝)
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 移動しないとゲームが進行しない性質から、プレースタイルも他のジャンルのゲームとは異なる。モバイルファクトリーの宮嶌氏は、他ジャンルのゲームと比較したプレーヤーの継続率の高さを指摘した。同社が開発する「駅メモ! - ステーションメモリーズ!-」は、全国各地の鉄道の駅を訪れ、駅を擬人化したキャラクターを集めるゲームである。2014年のリリース以降アクティブユーザーが増え続け、2019年にはアプリストアの売り上げランキングでトップ30圏内に入った。「ソーシャルゲームのピークは1、2年目が一般的。『駅メモ!』はゲームというより、(移動を記録する)ライフログのツールという位置づけで習慣的に使われている」(宮嶌氏)。

モバイルファクトリー 代表取締役の宮嶌裕二氏
モバイルファクトリー 代表取締役の宮嶌裕二氏
(撮影:木村 輝)
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