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 「ブリヂストンはデジタル変革をもたらすデジタル技術の活用を工場内と顧客向けの2面に分けて考えている」――。ブリヂストンの花塚泰史デジタルソリューション本部ソリューションAI開発部長は、東京ビッグサイトで開催中の「日経 xTECH EXPO 2019」において、このように語った。ブリヂストンは従来型の製造業から脱却し、ソリューションプロバイダーへの転換を図っている。

ブリヂストンの花塚泰史デジタルソリューション本部ソリューションAI開発部長
ブリヂストンの花塚泰史デジタルソリューション本部ソリューションAI開発部長
(撮影:中村宏)
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 工場内のデジタル技術の活用では、日々得られるデータを使って品質が高く効率的な製造方法を追求している。代表的な成果はタイヤの素材を丸める工程を機械化できたことだ。単純にも思えるが、最も難しい工程だという。「丸める工程は職人技の世界で、ほんの最近まで全てを機械化するのは難しかった」(花塚部長)

 その過程では、品質を満たしたタイヤとそうでないタイヤのデータを取得したり、職人が引っ張る・丸めるなどの工程をパラメーター化したりした。それらのデータをまとめ、製造機械で再現できるようにデータを分析した上で落とし込んだ。製造機械は丸める工程でタイヤの状況をセンシングしながら、状況に応じて加減を加えるという職人の技を再現する。

工場内と顧客向けの2面でデジタル技術を活用している
工場内と顧客向けの2面でデジタル技術を活用している
(撮影:中村宏)
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 顧客向けでは、タイヤ販売だけではなく、タイヤの使用にまつわるあらゆる工程をサービスとして請け負う取り組みを進めている。例えば運送業向けのタイヤ管理ソリューションがそれに当たる。タイヤの空気圧や減り具合の管理、タイヤの交換、設置を一貫して請け負うサービスであり、ここでも日常の管理データやセンサーから得られるタイヤの情報を基に、「前後のタイヤを入れ替えて使う、表面を張り替えて再利用する、新しいタイヤを使うなど無駄のないタイヤのマネジメントが可能だ」(花塚部長)

 こうして利用現場のデータを吸い上げることが、製品企画や製造にも今後好影響を与えるという。「タイヤの直進性よりも耐摩耗性が重視されるなど、顧客の求める製品を提供するきっかけになる」(花塚部長)。用途ごとにタイヤの痛む部分の類似性を見つけるなどデータ分析も合わせて実施しているという。