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FinTechサービスのいっそうの普及を後押し

 「JavaScriptのタグを挿入するだけでeKYCの機能を追加できる簡易さ」が評価され、セキュリティー賞を受賞したのはショーケースの「Protech ID Checker」だ。オンラインで本人確認を完結させるeKYC(electronic Know Your Customer)の機能を、Webサイトの申し込みページなどにJavaScriptのタグを挿入するだけで簡単に導入できるようにした。2019年10月から提供を始めている。

ショーケースの安立健太郎営業本部長
ショーケースの安立健太郎営業本部長
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 同社の安立健太郎営業本部長は「金融機関などでオンラインで口座開設をする際の本人確認には従来、免許証の画像のほか、郵便で居住先を確認するといった手続きが必要だった。しかし昨年、自撮り写真と顔写真入りの確認書類を用意すればオンラインで完結できる方法が追加された」と背景を説明する。

 事業者は郵送が不要になるのでコストを大幅に減らせる。利用者にとっては、その場で手続きが完結するため、申し込への意欲が大きく高まる。「しかし、そのためのシステムを開発するとコストが非常に高くつく。そこで当社が開発した」(同)。

簡単エッジカメラでAIも“民主化”

 「購入したらすぐ使えるネットワークカメラ」として高い評価を得、準グランプリ(ネットワーク賞)を受賞したのが、ソラコムの「S+(サープラス) Camera Basic」である。SORACOM Airのセルラー回線を標準で搭載した簡単に使えるネットワークカメラであり、電源を入れれば特に通信の設定をしなくても稼働する。アルゴリズムを遠隔地から更新することも可能だ。

ソラコムの齋藤洋徳セールスマネージャー
ソラコムの齋藤洋徳セールスマネージャー
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 開発責任者を務めたソラコムの齋藤洋徳セールスマネージャーは、現物を手にして登壇。「ソラコムはもともと、最先端の特定ユーザーではなく、より多くのユーザーをターゲットとしている。テクノロジーの民主化を目指すなかで、前回は通信の民主化、今回はAIの民主化を狙った」と語った。

 ソラコムは同製品を「AIエッジカメラ」と呼んでいる。「以前から、画像処理で何かできないかという問い合わせを本当に多数、もらっていた」というが、「S+ Camera Basic」は「エッジカメラを取り付けるとき、設置が大変で、アルゴリズムの更新にも非常に苦労した経験」から生まれた。既に物流拠点での導入例が出ているという。

なぜその結果になったのか「説明可能」なAI

 AI技術面の先進性と、英BPなどエネルギー分野での導入実績がある点を評価され、準グランプリ ビジネスAI賞を受賞したのは、Beyond Limitsの「コグニティブAIソリューション」。「説明可能なAI(XAI)」を実現するAIソリューションである。今回が同社の日本での初出展となった。

Beyond Limitsの小島剛氏
Beyond Limitsの小島剛氏
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 日本担当事業開発責任者の小島剛氏は、「当社はカリフォルニアで2014年に生まれたAIのスタートアップだ。NASAの研究所や、カリフォルニア工科大学の技術を活用してきた」と語る。XAIに取り組んだ狙いについて、「AIを人間の生命に関わるところなどに活用するときには、なぜそうなったかの説明がないと使ってもらえない」と述べた。

全社員の仕事に光を当てる仕組み

 「全社員の仕事に光を当て実際の報酬にもつながる考え方が目新しい」として準グランプリ HRテック賞を受賞したのが、Uniposの「Unipos」である。従業員のモチベーションを高めるための社内チャットを構築するツール。チャットに書き込まれた発言や行動に、従業員の間で「ピアボーナス」という独自のボーナスを送り合う。

Uniposの斉藤知明社長
Uniposの斉藤知明社長
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 登壇した斉藤知明社長は、「ボーナスを送ること自体が目的ではない。分かりやすい成果だけでなく互いの仕事を認め合うコミュニティーが職場にできるようにする」と同製品の狙いを語った。

 「1人が1企業に属さなくてよい時代なので、従業員がつい参加したくなる仕組みで会社の業績もあがっていくのが大事だと考えている。この人何をしているのか分からないと感じる状況だと働きにくい。この点を愚直に追求している」と語った。