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5Gの活用を検討

 第5世代移動通信システム(5G)の導入に向けた開発も進めている。

 「まもなくサービス提供が始まる5Gの有効活用は非常に重要。伊賀事業所と東京オフィス、奈良などに5Gの基地局を設置して検証する。工場内ネットワークや外部との5G通信など、どこに使うのが有効なのかを調べる。5Gは指向性が高く障害物に弱いため、どう使うかについて開発を進めている」(川島氏)。

 近く提供開始予定の「AI切りくずソリューション」についても紹介した。工作機械の加工室内で切りくずがどこにたまっているかをカメラで判定し、加工室天井のノズルからどのようにクーラントを吐出すれば効率的に切りくずを洗い流せるかを割り出す機能だ。

 「加工工程の自動化で最も問題になるのが、切りくずがたまって停止してしまうというトラブルだ。本来は夜間に無人でずっと動くはずなのに、切りくずがからまって止まってしまうことがよくある。切りくずを自動で除去するのは、自動化には欠かせないソリューションになる」(川島氏)。

 製造のデジタル化は1つの工場内にとどまらず、複数の工場をつなぎ、さらには社内のバックエンドシステムともつながることが重要だと川島氏は語る。

 「(DMG森精機は)生産、計画、準備、生産、モニタリング、デジタルサービスなど、一連の流れにあるさまざまなソリューションを提供しているが、『コネクテッドインダストリーズ』は工場だけにとどまらない。複数の工場を一元管理する必要がある。さらに、単一企業だけでなく他社ともつないだり、ERPなど別のシステムとつなげたりすることで、IoTを使った第4世代の製造(インダストリー4.0)を実現できる」(川島氏)。

図6 コネクテッドインダストリーズの姿
図6 コネクテッドインダストリーズの姿
(撮影:安蔵靖志)
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 製造のデジタル化は、今まさに爆発的普及の前夜だと川島氏は続けた。

 「現在は、1996~97年にかけてインターネットが爆発的に普及した時期と似ていると個人的には思う。要素技術はできあがっており、それが何かをきっかけに結びついていくタイミングがある。そのときには、1年前とは景色が違うというくらいに広がっていく。生産現場のデジタル化も進むだろう。ちょうどインターネットで起こったような爆発的な普及が数年以内に起こると思う」(川島氏)と締めくくった。

図7 講演会場の様子
図7 講演会場の様子
(撮影:菊地一郎)
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