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 メヌル氏は「製造業のプロセスの中でAI(人工知能)、エッジコンピューティング、AR(拡張現実)、ブロックチェーン、自律システム、認知工学の6つが大きな変革の手段になる」と語る。

製造の変革に必要な6つのデジタル手法
製造の変革に必要な6つのデジタル手法
(撮影:安蔵靖志)
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 「我々が注力しているのが完全統合自動化だが、今後のイノベーションにおいて重要なのは、本当の意味で産業化されたAIの活用だ。そして拡張現実が広範囲に活用され、人的な労働が軽減されていく」(メヌル氏)と主張した。

 メヌル氏は続いてロボットがAIを活用して未知の形状のワークをつかみ取るデモ動画を披露。「現状のロボットはサイズや形、重さがまちまちなワーク、例えば空港の手荷物の取り扱いなどはが難しいが、AIを利用すると可能になる」(メヌル氏)と語った。「AIをさらに活用すると、2つのロボットが協調して動作したり、人間の動作を邪魔しないように回避しながら協調動作したりするといったことも可能になる」(メヌル氏)

2台の協働ロボットがAI制御で強調するデモ
2台の協働ロボットがAI制御で強調するデモ
(撮影:安蔵靖志)
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 2つ目の注目技術であるエッジコンピューティングに関しては、新しい開発スタイルの最先端にあると説明した。

 インターネットの高速化がクラウドコンピューティングへの移行を促したが、高速な判断が必要なケースではやはりエッジコンピューティングが重要になると説明、「例えば自動運転車の場合、危険を判断してすぐにブレーキを踏むなどの反応をする機能は自動車の中に格納していなければならない」(メヌル氏)と例を挙げた。

 なぜエッジコンピューティングが業界で注目されるのか。「我々の顧客がよい例になるはずだ」とメヌル氏は明かす。その顧客は自社所有の製造機械を無償で彼らの顧客に提供し、アウトプットに課金するビジネスを行っているという。

 「このビジネスを実施するには、貸し出した機械がどれくらい使われているのか、どれくらい成果物を出しているのか正確に把握する技術が必要になる。故障の可能性を早い段階で予知して早い段階で保守を実施する予防保守も重要になる。また、それらの機械が通常の状態で使われているかどうかも正確に把握する必要がある」。こうした環境では「エッジというのが大変意味を持ってくる」(メヌル氏)。