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 LIXILは「CEAEC 2019」(2019年10月15~18日、幕張メッセ)に、連携する企業との出会いなどを求めて、現在研究開発中のトイレなどを出展する。同社がCEATECに出展するのは今回が3回目。協業先となるパートナー企業を探せる点に大きな利点を感じているという。

 1つは、現在研究開発中の「トイレからのお便り」と称する便観察機能を備えたトイレだ(関連記事「AIトイレが便の形や大きさを判定、LIXILが初公開」)。便座に内蔵するカメラでトイレの便の画像を撮影し、人工知能(AI)を使って画像を認識、形を国際指標「ブリストルスケール」に従い7分類し、大きさを3段階で判定する。会場では模型を使ったデモを行っている。

「トイレからのお便り」
「トイレからのお便り」
リアルな模型を使ったデモを行っている。写真ではケースに入っているが、実際にはケースから模型を出して配置する(撮影:日経 xTECH)
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便座にカメラを内蔵
便座にカメラを内蔵
便座を下ろし、上に人が座ると撮影する(撮影:日経 xTECH)
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 まずは利用者の健康管理のために排便管理を行っている高齢者施設での実用化を目指し、今後実証実験を進める予定だ。高齢者施設などで各トイレから自動で排便情報を収集し、ステーションでまとめて情報管理するといったシステムを想定する。既に第46回国際福祉機器展(2019年9月25~27日)で展示したが、今回は高齢者施設以外での利用の可能性を探るほか、協業企業を求めてCEATECに出展したという。具体的には、利用者が特定されない集合トイレに向けて個人認証技術を取り入れたいとして、協力企業を探しているという。

 もう1つは、CEATECで協業相手を得た事例として展示していた「みまもりトイレサービス」の事例だ。2017年のCEATECで乾電池型IoT製品「MaBeee」を展示していたノバルスにLIXILから声を掛け開発を始めたという、トイレのIoT化を手軽に実現する製品だ。今回はコンセプト展示としている。比較的元気な独居高齢者(親)の見守り用に子供が設置することを想定しており、トイレで水を流す動作(=トイレの使用)を検知・通知する。現時点では設備工事不要の簡易装置としており、MaBeeeを使うことで(1)設定した一定時間内に一度も利用しない、(2)短時間に多数利用する、(3)夜間など設定した一定時間内に利用する、といった異常が疑われる状況に対してLINEに通知を出し、連絡を取るなどの行為を促す。

「みまもりトイレサービス」
「みまもりトイレサービス」
タンク部分に検知用の後付け装置を設置する方法を想定している(撮影:日経 xTECH)
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 通信やスマホアプリ、UIなどの部分は主にノバルスが、トイレの流す動作を検知するハードウエアの仕組みなどをLIXILがそれぞれ担当した。ノバルスは既にMaBeeeの「見守り電池」を実用化しており、テレビのリモコンなどに使えば行動の見守りはできるが行動の必然性が低く精度がそれほど高くない。LIXILではトイレを活用しノバルスと協業することで、精度が高く実施の負担が少ない見守り機器が実現できると見込んで開発しているという。

“全身泡パック”を実現するシャワー

 ほかの協業事例としては、同社の子会社であるNITTO CERAと防災機器メーカーのモリタ宮田工業が共同開発した泡シャワー「KINUAMI」を展示、デモを披露している。暖かいシャワーから専用薬剤を使ったきめ細かな泡のシャワーが出るという製品で、消火用の泡の技術を活用し専用薬剤と湯、空気の組み合わせにより体に吸い付くような泡の感触を実現したとする。Makuakeでのクラウドファンディングに成功しており、2020年1月の発送に向けて開発が進んでいる。同技術の美容製品以外の用途に向け、協業パートナーを探しているという。

きめ細かな泡が降り注ぐ「KINUAMI」
きめ細かな泡が降り注ぐ「KINUAMI」
肌に吸い付くような泡が特徴。保湿成分を多く含む専用薬剤による「全身泡パック」を実現する(撮影:日経 xTECH)
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「KINUAMI」本体
「KINUAMI」本体
本体の試作機。水栓とシャワーヘッドの間に接続する。上部のフタを開けて専用薬剤を投入する仕組みだ(撮影:日経 xTECH)
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 このほか、IoT宅配ボックスを活用したクリーニングサービスや、スマートキー式玄関扉とスマホ連携インターホンを使った出前の受け取りなど、住宅設備のスマート化と異業種サービスの連携について展示している。

■変更履歴
本文第4段落の「みまもりトイレサービス」を説明する表現について、取材先からの申し入れにより変更しました。 [2019/10/15 18:35]