全732文字
PR

 松田鉄工所(本社山口県周南市)は、気密容器や水素ステーション用配管に向けた溶接技術を「ものづくりパートナーフォーラム東京2019」(2019年11月7~8日、東京・青山TEPIAエキシビションホール)で紹介した。リチウムイオン2次電池(LIB)用電解液の充填容器と、高圧配管のサンプルを展示(図1)。いずれも、外側から施したTIG(Tungsten Inert Gas)溶接によって内側でも材料が溶け込んでいる様子を見られる。

図1:高圧配管のサンプル
図1:高圧配管のサンプル
(写真:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 水素ステーション向け配管には、日本製鉄の高圧水素用ステンレス鋼「HRX19」を用いる。この材料は、一般的なステンレス鋼(SUS)に比べて高圧水素ガス環境下でも脆化しにくく、強度に優れるのが特徴。溶接部も母材と同等の強度を保てるため、機械式継手から溶接継手への切り替えにより省スペース化を図れる(図2)。機械式と異なり継手部から水素が漏れる恐れがなく、メンテナンスの手間を省けるのも利点という。

図2:機械式継手(左)と溶接継手(右)の形状の比較
図2:機械式継手(左)と溶接継手(右)の形状の比較
(写真:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 松田鉄工所は2017年、山口県の「水素サプライチェーン技術開発支援補助金事業」に採択された長州産業(本社山口県山陽小野田市)の「革新的再エネ利用水素ステーションパッケージ製品の開発」に参画。同事業では、70MPa水素ステーション用高圧配管の溶接技術の開発を担当した(2017年6月23日付、山口県のニュースリリース)。2018年には高圧ガス保安協会の認証を取得し、同技術の水素ステーションへの導入が可能になった。

 現状、溶接配管用の材料は高価なため、溶接部品の価格は機械式継手を用いた部品の約5倍。同社は、溶接配管の普及によって価格を下げたいとしている。他社でも同様の溶接ができるようにマニュアルを作成し、積極的にノウハウを提供する計画だ。