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 独自性のあるコンセプトには好感が持てるが、本当に量産できるのか――。そんな期待と疑心の眼差しを向けられているのが、中国の電気自動車(EV)ベンチャーのバイトン(BYTON、拝騰)だ。

 同社は2020年1月5日(米国時間)、米ラスベガスで開催される展示会「 CES 2020」の開幕に先立って記者会見を実施し、最初の市販EV「M-Byte」を披露した(図1)。米国では2021年に4万5000ドル(1ドル=108円換算で486万円)で発売することを公表したものの、目新しい戦略や次世代EVの発表などはなかった。

図1 BYTON初の量産EV「M-Byte」
図1 BYTON初の量産EV「M-Byte」
(撮影:日経Automotive)
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 各社が新製品や企業の方向性を打ち出すCESという晴れの舞台で、BYTONが今回優先したのは疑心の払拭だった。同社でCEO(最高経営責任者)を務めるダニエル・キルヒャルト(Daniel Kirchert)氏は会見で、「2020年中ごろには本格量産に入る」と語り、販売開始に向けて準備が進んでいることを強調した(図2)。

図2 BYTONの共同創設者でCEOのDaniel Kirchert氏
図2 BYTONの共同創設者でCEOのDaniel Kirchert氏
(撮影:日経Automotive)
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 BYTONは2016年に創業し、大型ディスプレーを中心とする快適な車内環境を提供することで他社と差異化を図る。クルマの価値が「走る・曲がる・止まる」の走行性能から快適性に移り始める時流をとらえて開発したM-Byteは、自動車業界から「順調に量産されるようなら脅威になる」(ある日系自動車メーカーの企画担当者)といった声が上がっていた。

 だがBYTONは、他のEVベンチャーと同様に量産段階でつまずきつつある。M-Byteを2019年内に量産を開始するとしてきたが、2019年9月に延期を発表した。既に同社の南京工場で試験生産を進めているものの、2020年中旬からになる見込みだ。今回のCESで発表した最新の予定では、M-byteを2020年に中国で発売し、2021年に米国と欧州で販売を開始するという(図3)。

図3 米国で販売するM-Byteの仕様
図3 米国で販売するM-Byteの仕様
(撮影:日経Automotive)
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 量産が遅れた理由の1つは資金面という。それでも、2019年秋に実施した「シリーズC」の資金調達によって約5億ドル(約540億円)を調達したことで「懸念は解消されつつある」(BYTONの関係者)とした。

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