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 ドイツBMWが2021年に実用化する「レベル3」の自動運転システムのシステム構成や主要部品を供給するサプライヤーが分かった。米ラスベガスで開催中の展示会「CES 2020」で展示した。

 同社は「iNEXT」と名付けた車両を2021年に投入する(図1)。最大の特徴は、SAE(米自動車技術会)が定めるレベル3の自動運転に対応する点だ。レベル3では運転の主権をシステムに委ねるため、BMWは自動運転用ECU(電子制御ユニット)やセンサーに冗長性を持たせるようにした。

図1 BMWが2021年に投入する「iNEXT」の試作車
図1 BMWが2021年に投入する「iNEXT」の試作車
レベル3の自動運転機能を搭載する。(出所:BMW)
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自動運転用ECUは水冷機構を採用

 自動運転車の“頭脳”となるECUは、米アプティブ(Aptiv)が供給する(図2)。内蔵するSoC(System on a Chip)はイスラエル・モービルアイ(Mobileye)製で、2021年3月に量産を始める予定の第5世代品「EyeQ5」を2個搭載する。EyeQ5以外にも他社のSoCを備えるとみられる。消費電力が高くなるため、「水冷の冷却機構を採用することにした」(BMWの開発担当者)。

図2 iNEXTの自動運転用ECU
図2 iNEXTの自動運転用ECU
MobileyeのSoC「EyeQ5」を2個内蔵する。(撮影:日経Automotive)
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 iNEXTは、この自動運転用ECUに不具合が生じた場合に備えて、バックアップ用のECUを用意した(図3)。「メインECUよりも処理性能を抑えているが、万が一の時でも安全に停止できるようにするシステムを搭載した」(同担当者)という。バックアップ用のECUは空冷。サプライヤーは、メインECUと同様にAptivである注1)

図3 バックアップ用のECU
図3 バックアップ用のECU
メインの自動運転用ECUと共に、Aptivが供給する。(撮影:日経Automotive)
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注1)ECUの筐体(きょうたい)に「DELPHI」の文字もあった。これは、米デルファイ・オートモーティブ(Delphi Automotive)が2017年12月にADASや自動運転向けソフトウエアなどを手掛ける部門をAptivとして分社化したため。

 周辺監視用のセンサーは、カメラとミリ波レーダーに加えて、3次元LIDAR(レーザーレーダー)を搭載して冗長性を高めた。いずれのセンサーのサプライヤーも明らかになった。