全944文字
PR

 中国の柔宇科技(ロヨル)は、「CES 2020」(2020年1月7~10日、米国ラスベガス)において、曲面ディスプレーを搭載した自動車用デジタルメーターや衣服、かばんなどの試作品を展示した。同社は、有機ELディスプレーを開発する新興企業。従来は主に自社開発のディスプレーを活用したスマートフォンやスマートパッドといったデジタル家電を手掛けてきたが、他業界への販路を拡大しようとしている。

ロヨルのブースでは木を模したモニュメントに大量の曲面ディスプレーを取り付け、アピールしていた。(写真:日経クロステック)
ロヨルのブースでは木を模したモニュメントに大量の曲面ディスプレーを取り付け、アピールしていた。(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 自動車用デジタルメーターは、ステアリングハンドルとセットで展示していた。自社開発のアクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)ディスプレーに、車速やエンジン回転数、地図などを表示。ステアリングハンドルには同じく自社開発のフレキシブルセンサーを搭載しており、運転しながらの簡単なタッチ操作を可能にするというコンセプトである。

AMOLEDディスプレーを使った自動車用デジタルメーターの試作品。手前のステアリングハンドルにフレキシブルセンサーが内蔵されており、タッチ操作が可能というコンセプト。(写真:日経クロステック)
AMOLEDディスプレーを使った自動車用デジタルメーターの試作品。手前のステアリングハンドルにフレキシブルセンサーが内蔵されており、タッチ操作が可能というコンセプト。(写真:日経クロステック)
[画像のクリックで拡大表示]

 ロヨルは既に自動車業界向けの展開を進めており、例えばトヨタ自動車が「東京モーターショー2019」(2019年10月24日~11月4日)に出展したコンセプトカー「LQ」において、後部座席のガラスの一部にロヨルの曲面ディスプレーが採用されているという。LQは、2020年の東京五輪・パラリンピックで聖火リレーの隊列車両などとして導入される予定である。

 自動車向けにAMOLEDディスプレーを実用化する上での課題として、ロヨルは輝度や耐熱性を挙げる。輝度については、「スマホは300~500nitでも十分だが、自動車では1000nit以上が要求される」(同社)。耐熱性については、設置場所によっては100℃を超える高温にさらされることから、一層の向上が必要になるという。