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 車内マイクをセンサーとして活用できないかーー。音声認識機能のために搭載したマイクを別の用途にも使う動きが出てきた。「CES 2020」で目立ったのは、幼児の車内置き去り防止や緊急車両のサイレン検知など、社会課題の解決を目指したものだ。

 クルマへの音声認識機能の搭載が増えたことで、マイクを備える車両は加速度的に増えている。音楽をかけたりカー・ナビゲーション・システムの目的地を設定したりする音声アシスタントで使われることが多い。将来的には、乗員の話し相手にもなるかもしれない。

 利便性の向上が続いている音声アシスタント機能だが、実態としては全く使わないユーザーも少なくない。せっかく配備した車内マイクは“眠り続ける”ことになり、もったいない。

緊急車両のサイレンを検知システムが2020年実用化

 搭載した車内マイクを有効活用しようと、ある欧米の自動車メーカーが2020年内に実用化するのが緊急車両のサイレンを検知するシステムだ。車内に配置したマイクで、救急車や消防車、警察車両のサイレンを認識し、緊急車両が接近していることを運転者に伝える仕組みを開発した(図1)。

図1 緊急車両が接近していることを通知
図1 緊急車両が接近していることを通知
車内のマイクを使ってサイレンを検知した。システムを開発したCerenceが「CES 2020」で披露したデモの様子。(撮影:日経Automotive)
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 欧米に限らず日本や中国などでも、車内で大音量の音楽を楽しむ人は多い。窓を閉めた状態ではサイレンを聞き取れないこともあり、緊急車両に道を譲るのが遅れてしまう。今回のシステムは、こうした課題することを狙う。

 この車内マイクを使った緊急車両の検知システムを開発したのが、米セレンス(Cerence)である(図2)。同社は、音声認識大手の米ニュアンス・コミュニケーションズ(Nuance Communications)の車載部門が分離・独立して2019年10月に設立された企業である。

図2 Cerenceの試作車
図2 Cerenceの試作車
図1のデモに使った車両の外観。(撮影:日経Automotive)
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 緊急車両の認識は、あらかじめ取得しておいたサイレンの波形データとマイクのデータをパターンマッチングさせることで実現した。Cerenceの担当者によると、「緊急車両のサイレンは国や地域によって様々で、まずは欧米地域の緊急車両のデータ収集を進めた」(Cerence Japanソリューションアーキテクトのルッツ・メテナー氏)という。

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