全1170文字
PR

 東芝のNANDフラッシュメモリー事業が分社化されてできた東芝メモリが、社名をキオクシアに変更したのが2019年10月1日である。同社は2020年1月31日に、3次元フラッシュメモリー「BiCS」の第5世代目となる112層の製品を試作し、基本動作を確認したと発表した。この試作品は512Gビットの3ビット/セル品として、2020年第1四半期にサンプル出荷を開始する予定である。この製品では、データセンター向けSSDやパソコン向けSSD、スマートフォン向けストレージなどの用途を狙う方針である。

 こうした中、キオクシアは、2020年2月18日(米国時間)に半導体のオリンピックと呼ばれる「ISSCC(International Solid-State Circuits Conference) 2020」で、新機軸とも言えるNANDフラッシュメモリーを米ウエスタンデジタル(Western Digital社)と共同で発表した。読み出しアクセス時間が4μsと、従来品に比べて1/10未満に短縮した、128Gビットの3次元フラッシュメモリーである。1ビット/セル(single level cell:SLC)で96層のチップである。このチップが新機軸と言えるのは、ランダム読み出し性能を高めたことで、MRAMやPCM(phase change memory)といったストレージクラスメモリー(SCM)が狙う領域や市場をこのフラッシュメモリーで取りに行こうとしている点である。すなわち、メモリー階層において、DRAMより安価で、フラッシュメモリーより高速なメモリーが求められる領域や市場である。

NANDフラッシュの高速化でMRAMやPCMなどを迎え撃つ
NANDフラッシュの高速化でMRAMやPCMなどを迎え撃つ
(図:ISSCCから提供された発表資料のスライド)
[画像のクリックで拡大表示]