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 ユーザーが手元で論理回路を書き換えられるFPGA。ASICに比べて、電子機器の開発期間を短縮したり、マスク・コストを含めた開発費を安価に抑えられたりすることから、市場がどんどん拡大している。その一方で、同一のプロセス・ノードで比較した場合、FPGAはASICに対して、「チップ面積が17倍、論理回路性能が1/3程度になる」(大阪大学)という課題がある。

FPGAとASICなどの比較
FPGAとASICなどの比較
(図:ISSCCから提供された講演スライド)
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 この課題を解決し、FPGAにブレークスルーをもたらしそうな技術を、大阪大学とNEC、京都大学、立命館大学、高知工科大学が「ISSCC 2020」で共同発表した。従来のSRAMベースFPGAでトランジスタを使用していたスイッチを、不揮発性のビアで置き換える技術で、「ビア・スイッチFPGA」と呼ぶ。ここで使うビアは不揮発性で、かつ半導体の配線工程で作り込めるので、チップのトランジスタ部分を全てコンピューティング(ロジックやメモリー)に使えるようになる。そのため、従来のFPGAに比べて劇的にチップ面積を小さくし、かつ性能を高められる。

 今回、大阪大学らは初めて65nm世代のプロセス技術でビア・スイッチFPGAを試作した。このビア・スイッチFPGAは、従来のFPGAに比べてエネルギー効率を大幅に高められるので、AIアプリケーションに適するとする。

今回試作したビア・スイッチFPGAのチップ
今回試作したビア・スイッチFPGAのチップ
(図:ISSCCから提供された講演スライド)
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 今回のビア・スイッチは、2個の原子スイッチと2個のバリスタから成る。ここで使う原子スイッチは、かねてNECなどが開発に取り組んできた、抵抗変化型の不揮発性デバイスである。

ビア・スイッチに用いる原子スイッチ
ビア・スイッチに用いる原子スイッチ
(図:ISSCCから提供された講演スライド)
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