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「今までのMRAMの発表に比べて本気さを感じた」(大手外資系半導体メーカーのメモリー設計者)。今やメガファウンドリーに成長した台湾TSMCが「ISSCC 2020」で発表した、22nm世代の組み込み(埋め込み)用途向け32MビットSTT-MRAMの発表に対する反応である。
TSMCは今回の発表の冒頭で、論理LSIに混載する組み込みフラッシュメモリーの問題点を次のように指摘した。「トランジスタでセルを構成するので、前工程のフロントエンドで製造する必要があり、論理LSIのプロセスに12枚の追加マスクが必要になる。加えて、ページ単位でしか書き込みできないという不便さがある」(TSMC)。
一方、STT-MRAMについてTSMCはこう利点を強調した。「前工程のバックエンド・プロセスでメモリーを製造できるので、論理LSIのプロセスに2~5枚の追加マスクで済む。加えて、バイト単位で書き換えできるのと、高速書き換えが可能なこと、書き換え可能回数も多く、データ保持特性も優れるといった特徴がSTT-MRAMにある」(TSMC)。