情報処理推進機構 (IPA)の登大遊サイバー技術研究室長は2020年12月10日、「伝統的日本組織から多数のICT技術が生まれる方法について」と題して、オンラインで開催されたイベント「デジタルイノベーション@NIGHT “幸せ”のニューノーマル」で講演した。
登室長はかつてIPAが「天才プログラマー/スーパークリエータ」と認定したすご腕プログラマーだ。2020年4月からNTT東日本の特殊局員も務めるほか、ソフトイーサ代表取締役と筑波大学産学連携准教授の肩書も持つ。2020年4月には、IPAとNTT東日本で3週間という短期間でテレワーク向けのシンクライアント型VPN(仮想私設網)ソフト「シン・テレワークシステム」を開発。実証実験として無償提供しており、利用者はすでに9万6000人にのぼる。
また、登室長らは地方公共団体情報システム機構(J-LIS)と組み、LGWAN(総合行政ネットワーク)を使って地方自治体の職員が自宅からテレワークを行うためのシステム「自治体テレワークシステム for LGWAN」を開発。2020年11月末から実証実験として全国460自治体での利用が始まった。
「ゼロリスク」や「カオス」な組織では破綻する
こうした開発経験を踏まえ登室長は、伝統的な日本の組織でどのようにすれば新しいICT技術が生まれるのかを説明した。