日経クロステックが2020年12月8日から11日にかけて実施したオンラインイベント「デジタルイノベーション2020」の特別企画として、12月10日に「デジタルイノベーション@NIGHT“幸せ”のニューノーマル」が開催された。この記事では、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く状況にあって、幸せにつながるコミュニケーションをいかにして成り立たせるかを語り合った第3部のパネルディスカッションの内容を紹介する。
パネルディスカッションに登壇したのは、ユカイ工学の青木俊介代表、パナソニック マニュファクチャリングイノベーション本部ロボティクス推進室総括の安藤 健氏、クラスターの加藤直人代表取締役CEO、ピアレスガーベラ所属の声優、小岩井ことりさんだ。モデレーターは、日経クロステック/日経エレクトロニクスの東将大が務めた。

青木氏が設立したユカイ工学はロボティクスベンチャーとして活動しており、2014年にコミュニケーションロボット「BOCCO」(ボッコ)を発表したほか、2017年にはしっぽのついたクッション型セラピーロボット「Qoobo」(クーボ)をリリースした。現在はBOCCOの後継となる「BOCCO emo」(ボッコエモ)の開発を進めている。

安藤氏は、パナソニックで人共存ロボットの研究開発に携わっている。ロボットで人手不足を解消したり作業効率を改善したりするだけでなく、「自分でしたい/ありたい」という「ヒトがすること」とのバランスを取ることで、健康・自立、自己承認・満足といった人の幸福度の向上も目指している。
加藤氏は、2015年にVR技術を駆使したスタートアップであるクラスターを起業した後、2017年にSNS機能を持つVRプラットフォーム「cluster」を公開した。clusterでは大規模バーチャルイベントを開催可能。例えば最近は、cluster上に東京・渋谷を再現した「バーチャル渋谷」を開設し、「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス」を実施した。
「音で世の中のみなさんの幸せに貢献したい」と語る小岩井さんは、本業である声優と並行して作詞、作曲にも取り組んでおり、「音が好き」が高じて自分でスタジオを作った。イヤホン「KPro01」の開発や、ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)レーベルのプロデュースも手掛けている。
パネルディスカッションは「幸せにつながるコミュニケーション」がテーマ。最初の話題は「参加者それぞれが考える幸せとは何か」だった。