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 ドイツBeckhoff Automation(ベッコフ・オートメーション)は2021年4月12日からオンラインで開催された世界最大級の産業技術の展示会「HANNOVER MESSE 2021: Digital Edition」(ハノーバーメッセ)において、ワークを電磁力で浮かせて搬送する装置「XPlanar」の改良版や、「Windows」で稼働する制御ソフトウエア群「TwinCAT」の機能拡張、Ethernetをベースにした制御装置「EtherCAT」の強化版などを発表、プレゼンテーションした。中でも目を引いたのはXPlanarを改良して追加した、、ワークを360度回転させる機能の紹介だった(図1)。

図1 XPlanarによる回転制御
図1 XPlanarによる回転制御
この状態から、ムーバーごとフラスコを回転させられる。(出所:Beckhoff Automation)
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 XPlanarはコイルを内蔵した240mm角のタイル様の装置を敷き詰めて搬送路とし、その上で方形の薄板形状のムーバー(可動子)をわずかに浮かせて移動させるシステム。ムーバーは115mm角から235mm角までの大きさ(型番APM4000番台)で、最大2m/秒で移動可能。235mm角のムーバーは質量4kgのワークを運搬できる。搬送路が平面であるため、先行するワークを追い越すなど直線状の搬送装置ではできない運用が可能(図2)。これまでムーバーの回転運動には制限があったのをなくし、毎秒10回転でぐるぐる回す操作まで可能にした。

図2 XPlanarのデモンストレーション
図2 XPlanarのデモンストレーション
搬送路が直線状ではなく平面であるため、スペースを確保しておけばムーバーの待避と追い越しが可能。(出所:Beckhoff Automation)
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 新機能により、液状のワークを扱う生産ラインの途中でかき混ぜたい場合など、制御ソフトTwinCATからのXPlanarへの制御指示により、モーターを伴う装置を増やさずに作業を可能にできる、といった応用が考えられる。もともと、搬送路を構成するタイル様の装置に内蔵したコイルの位置による制約で、ムーバーの回転角は一定の範囲でしか変えられなかったが、タイル4枚が集まる頂点位置に限っては360度の回転を実現できるという。「ハードウエアを変更せず、制御の工夫のみで実現した」(同社)。回転後のムーバーの回転角は、回転前と同じか90度刻みに変えて、再び搬送路上を移動させられる。