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 FA機器メーカーの独Festo(フエスト)は2021年4月12日、超電導技術によってワークを非接触搬送する生産設備のコンセプト技術「SupraCube」を発表した。超電導物質を内蔵した片手サイズの箱形装置「ベースユニット」の上に、永久磁石を内蔵した板形状の「キャリア」を浮かせる。半導体製造など、高い清浄度が求められる生産現場に向く。

 オンライン開催の産業技術展示会「HANNOVER MESSE 2021: Digital Edition」(ハノーバーメッセ)で動作デモを公開した。

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非接触搬送のコンセプト技術「SupraCube」
非接触搬送のコンセプト技術「SupraCube」
Festoで同技術を担当するMichael Schöttner氏が動作デモを披露した。(ライブストリーミングをキャプチャー)
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 キャリアは常に、ベースユニットの上面からおよそ10mmの位置を保ちながら浮上している。ベースユニットの超電導物質が冷えている間は、人が手でキャリアをつまんで空中の定位置に固定したり、取り外したりできる。

 ワークを載せるのは、このキャリアの上だ。搬送するにはまず、ベースユニットを動かす。動作デモでは、回転するコンベヤーにベースユニットを載せていた。キャリアは磁界によりベースユニットから一定の距離に拘束され、ベースユニットの動きに連動する。こうして、ワークを空中に浮かせたまま搬送できる。「ワークの積載量は5kg以上だ」(同社)。

 前述の通り、ベースユニットとキャリアの間には、10mmほどのすき間がある。このすき間に樹脂などの板材を設置して仕切れば、コンベヤー側とワーク側の空間を分離できる。すると、接触や摩擦による微小なちり(パーティクル)がコンベヤー側で生じたとしても、ワーク側には入らない。こうして、ワーク周辺の空気の清浄度を保てる。