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 環境問題対策を党是とするドイツ「同盟90/緑の党」(以下緑の党)から初の首相になるのではと注目を集める党首と、ドイツ工業会2団体のトップがカーボンニュートラルに関して意見をぶつけ合う――。2021年4月12日からオンラインで開催された世界最大級の産業技術の展示会「HANNOVER MESSE 2021: Digital Edition」(ハノーバーメッセ)のライブストリーミングでの討論会の一幕だ。環境問題への対応のため政治と産業が協力し、技術開発によって経済的発展と環境保護の両立を目指す点での認識は一致。ただし具体的な進め方には意見の差が見られ、今後政治と産業界の間ですり合わせるべきテーマの指摘があった。

「2050年のヨーロッパ・クライメートニュートラルを実現するために」のステージ
「2050年のヨーロッパ・クライメートニュートラルを実現するために」のステージ
左端が司会者カルメン・ヘンシェル(Carmen Hentschel)氏、中央がZVEI会長のグンター・ケーゲル(Dr. Gunther Kegel)氏、右がVDMA会長のカール・ハエウスゲン(Karl Haeusgen)氏。ディスプレー内が緑の党共同党首のアンナレーナ・ベーアボック(Annalena Baerbock)氏。(ライブストリーミングの画面をキャプチャー)
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 会期初日の午前11時45分(中央ヨーロッパ夏時間)からのライブストリーミング「2050年のヨーロッパ・クライメートニュートラル(気候中立)*1を実現する」には、緑の党共同党首のアンナレーナ・ベーアボック(Annalena Baerbock)氏*2が参加。緑の党は最近支持率を高めており、ベーアボック氏は2021年9月の連邦議会選挙で首相になる可能性が高いと取り沙汰されている。この“時の人”をオンラインで招き、ステージに並ぶ産業界のトップ2人、VDMA(ドイツ機械工業連盟)会長のカール・ハエウスゲン(Karl Haeusgen)氏、ZVEI(ドイツ電気電子工業連盟)会長のグンター・ケーゲル(Dr. Gunther Kegel)氏と議論する、という企画だ。

*1 クライメートニュートラル 「気候に影響を与えない」意味で、「二酸化炭素量に影響を与えない」カーボンニュートラルと実質的に同じ意味だが、二酸化炭素以外の温暖化ガスなども含めて気候変動要因全般を対象とした表現。
*2 会期直後の2021年4月19日、緑の党は連邦議会選挙に向けベーアボック氏を首相候補に選出したと発表した。URL:https://www.gruene.de/artikel/unsere-kanzlerkandidatin-annalena-baerbock(ドイツ語)