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 オンライン開催のゲーム開発者会議「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2021」(CEDEC2021)で2021年8月26日、東京大学大学院情報学環教授でソニーCSLフェロー・副所長の暦本純一氏が基調講演で登壇。「Human Augmentation:人間拡張がもたらす未来」と題し、「人とAIの融合」や「IoA(Internet of Abilities、能力のインターネット)」について講演した。

基調講演に登壇した暦本純一氏
基調講演に登壇した暦本純一氏
(写真:日経ソフトウエアがオンライン講演をキャプチャー)
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 人間の能力を拡張させる技術「ヒューマンオーグメンテーション(人間拡張)」を用いて、「AIによって人間が拡張されるとはどういうことか」という「ヒューマンAIインテグレーション(人とAIの融合)」分野に暦本氏は注目しているという。

 喉の動きから発話意図を読み取って音声合成する「Derma(デルマ)」という研究では、喉の皮膚に付けた加速度センサーから読み取った喉周辺の動きの情報をニューラルネットで解析し、発話音声を生成する。身に付けると、AIが一方的に発声能力を拡張するだけでなく、人間もAIが発話生成するための喉の動きを学習し、上達していくという。暦本氏は「人間とニューラルネットが直結すると非常に大きな可能性を持っている」とした。

喉の皮膚の動きから有声発話を生成する「Derma」
喉の皮膚の動きから有声発話を生成する「Derma」
(写真:日経ソフトウエアがオンライン講演をキャプチャー)
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 1人の人間の能力拡張ではなく、他人やロボットなどとネットワークでつながって相互に能力を補強する「IoA」については、「ポストコロナ社会にとって大きな可能性」と暦本氏は指摘。遠隔地の人間に仮面としてディスプレーを付けて仮面を通してコミュニケーションをとる「カメレオンマスク」という研究を示し、同じ場所にいない人の「存在感」をディスプレーによって伝達することで、ネットワーク社会でも対面に近いことが可能だろうとした。

人間にディスプレーの仮面を付ける「カメレオンマスク」
人間にディスプレーの仮面を付ける「カメレオンマスク」
(写真:日経ソフトウエアがオンライン講演をキャプチャー)
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