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 世界で今、「スプリンターネット(Splinternet)」と呼ばれる、インターネットを分断する動きが活発化し始めている。スプリンターネットとは、「Splinter(分裂、断片)」と「Internet」を結びつけた造語だ。インターネットが政治やビジネス、技術によって断片化されていくような事態を示す。

 スプリンターネットは、今に始まったわけではない。例えば中国が1998年から運用を進める「グレート・ファイアウオール(金盾)」もスプリンターネットの代表例だろう。ただし、これまでのスプリンターネットが、他国の情報から自国を守るという、国の主権が及ぶ範囲内での防御の側面が強かったのに対し、ロシアのウクライナ侵攻を契機に始まった“スプリンターネット2.0”は、国境を越えて他国のネットを切断し特定の国を排除するという攻撃的な様相を呈しているのだ。

 加えて、政治的理由だけでなく、技術的にもスプリンターネットは動き出している。インターネットの根幹を支える「IP(インターネットプロトコル)」の仕組みが限界を迎えているとし、2019年に中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)が中心となって、新たな「New IP」という技術仕様を国際電気通信連合(ITU)に提案した。New IPの狙いは、ロボットの協調制御やスマート農業、クラウドによる自動運転のアシスト、ホログラフィック通信など2030年に向けて登場する見込みの多様なアプリケーションに応じて、現在のIPがボトルネックにならないように進化させることである。

 ただし、New IPは既存のIPとの互換性がなく、全面的に置き換えようとすれば、離れ小島のように相互接続性を損なってしまう。そのため「New IPは有害」との批判が相次ぎ、3年が過ぎた現在も世界に物議を醸し続けているのだ。こうしたスプリンターネットの動きは、これまでのインターネットが転換期に差し掛かっていることを物語る。

 インターネットの分断は、緊張を増す世界情勢を反映するかのように加速していくのか。詳細は以下の記事で確認してほしい。