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 ビジネスの環境や業務の実態に合わせて経営資源を最適化しようとする考え方や取り組みのこと。1990年代には情報システムの運用コストを最適化する動きとして関心を集めた。2020年以降はオフィスの最適化として注目されている。背景には新型コロナウイルス対策でテレワークを進める企業の中で、出社する社員数に見合ったオフィスの規模にしようとする動きが出てきたことがある。

 オフィスの動向に詳しいオカムラの内田道一ワークデザイン研究所所長は「単に規模を縮小するのではなく、社員の仕事の生産性を高めるために、どんな機能を持たせるのかを見極めながらオフィスを最適化していくことをライトサイジングと呼んでいる」と話す。

 ライトサイジングは、社員の自宅やサテライトオフィスなど、社員が働く場がオフィス以外にも複数あることを前提に進める。「それぞれの働く場でどんな仕事をするとよいかを見極めていく中で、オフィスの位置付けを明確にして最適化していく」と、オカムラの六車文明ワークデザイン研究所ワークプレイスコンサルタントは指摘する。

 社員宅やサテライトオフィスは、パソコンでの作業に集中したり、オンライン会議に参加したりするのに向く。しかし複数の社員によるブレーンストーミングはやりづらい。そこでオフィスではパソコン作業などのスペースを減らす一方、ブレーンストーミングに向くスペースを設ける最適化が考えられる。

 このほか「多くの社員が在宅勤務をしていて分散して働くようになった企業では、オフィスを社員の一体感を高める場として見直すケースも増えている」(六車氏)という。

 コロナ禍でオフィススペースを4割に減らしたある企業は、オフィスを「作業する場ではなく交流する場」と再定義した。社員が所属部署ごとに定期的に集まって会議をしたり、イベントを実施したりするオープンスペースを新設している。社員のエンゲージメント(企業に対する貢献意欲)を高める狙いから、出社した社員が企業理念などを再確認できるコーナーも設けた。

デジタル技術の活用進む

 ライトサイジングに合わせて、様々なデジタル技術の活用も見込まれる。社員の自席を設けないフリーアドレス制を採用する場合も多く、オフィス内のどこで誰が働いているのかがつかみづらくなる。そこでビーコンなどを使った社員の位置情報システムの導入が進みそうだ。システムで取得した位置情報を分析することで「社員がオフィスのどのスペースを多く利用しているか」も把握できるので、利用頻度が高いオフィスのスペースを広げるといった改善にもつなげられる。

 オフィスの座席や会議室の予約状況や利用状況を把握できるシステムの導入も進むとみられる。普段、在宅勤務をしている社員が出社する場合、座席や会議室の空き状況を事前に把握できない。システムの導入で、出社前に座席や会議室の確保できるようにすることで、社員がオフィスでの業務を円滑に進められる効果が期待できる。