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 PFM(個人資産管理)は、複数の銀行や証券会社、クレジットカード会社などの金融機関が持つ自分の取引明細データを、本人がスマートフォンなどで一括管理できるサービスのこと。以前から同様のサービスは存在し、大手IT企業などが提供していたが、2012年ごろからFinTech革命の波に乗って、PFMを専門に手掛けるスタートアップ企業が続々と登場。スマホでの使い勝手の良さを競い合ったことが奏功して広く普及し、国内のFinTechサービスの先駆けになった。

 代表的なサービスには「マネーフォワード ME」「Moneytree」「Zaim」などがある。いずれも基本的な仕組みは同じ。以下の2つのどちらかの方法で、金融機関から取引明細データを取り寄せる。

「Webスクレイピング」あるいは「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」を使って、複数の金融機関が持つ個人の取引明細データを利用者本人に代わって取得して集約する
「Webスクレイピング」あるいは「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」を使って、複数の金融機関が持つ個人の取引明細データを利用者本人に代わって取得して集約する
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 1つは、「Webクローラー」と呼ぶ特定のプログラムが、必要なデータを収集する仕組み「Webスクレイピング」を用いる方法だ。多くの銀行はインターネット上で口座照会サービスを提供しており、IDとデータ参照用のパスワードを入力することで残高や直近の入出金情報を参照できるようにしている。そこでPFM事業者はユーザーからIDとパスワードをあらかじめ預かり、暗号化して保存。Webクローラーがその情報を使って、利用者に代わってデータを自動取得して集約する。

 もう1つは、銀行などが残高情報などを外部公開するAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を用意している場合に使える方法だ。APIは他のシステムやソフトウエアに機能を提供するための規約のこと。銀行のAPI経由でデータを取得するシステムを開発することで、PFM事業者は明細データを容易に取得可能になる。実装次第ではWebクローラーに比べて、データの取得時間を短くできる。

 金融機関にとっても、Webクローラーよりもアクセス時の負荷を減らせる効果を期待できる利点がある。

 2017年5月に成立した改正銀行法により、銀行に対してオープンAPIの導入が努力義務化された。政府が設定したKPI(重要業績評価指標)は2020年6月までに80行程度以上の対応だったが、2019年1月時点で既に29の銀行が開始済み。銀行のうち128社が口座情報を取得可能な参照系APIを開放する予定があると表明している。