全1257文字
PR

 次世代のネットワークのあり方として提唱された、データ分散型のインターネットのこと。これまでのようなサービスプラットフォーマーがデータを一元的に管理する形態から、ブロックチェーン(分散型台帳)技術などを基に、ネットワーク内のコンピューターノードが分散してデータを管理する形態へ移行する。分散型アプリケーション(dApps)を構築・実行するためのブロックチェーン基盤であるEthereum(イーサリアム)のギャビン・ウッド共同設立者が2014年に提唱した。

 スイスに本拠地を置くブロックチェーン財団であるWeb3 Foundationは、同財団のサイトでWeb3を「ユーザーが自分自身のデータ、アイデンティティー、運命をコントロールできる、分散型でかつ公正なインターネット」と説明している。ブロックチェーンを基盤とするデータ管理形態はビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)の取引記録を管理するために構築され、現在は他のサービスでも活用されつつある。

Web 2.0の課題解決に期待

 ピアツーピア(P2P)ネットワークを基盤とするWeb3が実現すれば、データの管理権限を個人のユーザーが所有する、分散型のデータ管理が可能になる。例えば電子商取引(EC)サイトでの購入履歴や位置情報などの個人のデータは本人が管理できるようになり、企業はユーザーが許可した場合にのみデータを利用できる。

 Web3以前の概念としてWeb 1.0、Web 2.0がある。現在は、Web 2.0のインターネットに分類されるサービスである米メタプラットフォームズの「Facebook」や米ツイッターの「Twitter」といったSNS(交流サイト)の利用が広がり、ユーザー自身がコンテンツを作成したり公開したりしている。

 Web 2.0の始まりは2000年代前半ごろで、それ以前の一方通行のWebサイトの利用が広がったのがWeb 1.0だ。

 Web 2.0の課題は、サービスを提供するプラットフォーマーのもとにデータが集約されることだ。プラットフォーマーによるパーソナルデータの利活用に対し、欧州は欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)、日本は個人情報保護法といった法規制を導入するなど厳しい目を向けている。

 データ分散型のネットワークの活用が広がっている分野の1つが金融だ。分散型金融(DeFi)は金融機関のような管理者が存在しないブロックチェーン基盤上で、ユーザーがトークンと呼ばれる暗号資産などを取引する。事前に定めた条件を満たすと、dAppsが自動的に暗号資産の売買などを実行する。

 「Compound」「Uniswap」など複数のDeFiサービスが存在するが、各国の金融当局は認可しておらず、不正利用への補償もない。一般社団法人DeFi協会は2022年3月に「Web3.0の成長戦略に関する提言」を公表し、トークンに関わる税制の改正や、秘密鍵の管理をする際に暗号資産交換業者へ登録を義務付ける「カストディ規制」の緩和などを訴えた。