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 インターネット経由で映像や音声をやり取りして会議するためのツール。Webサイトと同じ通信プロトコルを使う場合が多いので「Web会議ツール」とも呼ばれる。テキストを主体にやり取りするビジネスチャットツールも「オンラインで会議をするためのツール」だが、一般にオンライン会議ツールと言えば、映像・音声を主体としてやり取りするツールを指す場合が多い。

 ビジネスチャットツールの代表格だった米マイクロソフトのTeamsは映像・音声会議機能を強化しつつあり、オンライン会議ツールとしての性格が強くなっている。オンライン会議ツールの代表格である米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのZoomもテキストチャット機能を備えており、ビジネスチャットとオンライン会議の境界は曖昧だ。

 オンライン会議の歴史は古い。いわゆるテレビ会議システムは40年以上前から存在する。通信費がかさむ上、カメラやディスプレーなどの機器が高価だったり、映像の圧縮処理に専用機が必要だったりしたため、長い間、企業の経営層向けなどごく限られた用途で使われるにとどまっていた。

 その後、1990年代後半からインターネットが急速に普及し、携帯電話でも映像伝送に十分な品質の通信が可能になった。標準でカメラを搭載したスマートフォンやタブレット、パソコンも登場し、オンライン会議の端末として利用できるようになった。

 それでも国内の移動が比較的容易な日本では、対面の会議を重視する風潮が強く、オンライン会議ツールの普及の勢いは鈍かった。状況を変えたのが、新型コロナウイルス感染症の深刻化だ。政府が出席者同士の物理的な接触を伴わないオンライン会議の活用を積極的に呼びかけたこともあり、社内会議や商談などでの利用が定着しつつある。

ビジネス用途に多様なサービス

 企業向けオンライン会議ツールではZoomやTeamsのほか、米シスコシステムズのWebex、米グーグルのGoogle Meetなどが有名だ。ブイキューブのV-CUBE ミーティングやジャパンメディアシステムのLiveOnなども日本企業の間で人気がある。LINEや米アップルのFaceTimeといった個人向けツールが、ビジネス用途で使われることもある。

 これらのツールの機能は似通っている。複数拠点の映像を1画面に集約して表示し、映像と音声で会議ができる。プレゼンテーション用のスライド画面などを共有したり、テキストチャットをしたりする補助機能もある。多くのツールはWindowsやiOS、Androidなど幅広いプラットフォームで利用できる。インターネット回線さえあれば使えるが、画質や音質は通信品質によって左右される。

 オンライン会議を円滑に運営するには通信品質に加え、主催者や参加者の慣れも重要だ。例えば多人数の会議では、参加者の1人が騒がしい場所にいるだけで騒音が全体に伝わり、声が聞き取りにくくなる。参加者が自分でマイクをオフにするか、主催者がマイクオフ操作をする必要がある。