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 消費者がEC(電子商取引)サイトで事前に注文した商品を、店頭で受け取れるサービスやシステムのこと。「ボピス」と読む。

 広義には「Click&Collect(クリック&コレクト)」と同義だが、Click&Collectは宅配ボックスやドライブスルーなど自宅以外の多様な受取場所を選べるのに対し、BOPISは店頭受取に限定している点が異なる。現在、日本で広く普及しているのはBOPISである。

 実店舗を持つ事業者がBOPISに取り組むメリットは大きい。消費者が自ら商品を受け取りに来るため、個々の商品を自宅に送る必要がなく宅配コストを削減できる。事業者はBOPISで受けた注文について、店頭在庫を充当するか、店舗の商品補充用トラックにBOPIS用の商品を積んで届ければよい。店舗を持つ強みを生かしたサービスであるためEC専業事業者との差異化につながる。店舗への来店を促すことで、ついで買いも狙える。

 消費者にとってもBOPISのメリットは大きい。多くの場合、店頭受取では送料を支払わずに済む。また消費者は事前に商品を注文しているため、店頭で商品を探す手間がなく店での滞在時間が短縮できる利点もある。新型コロナウイルス下で買い物を短時間に済ませたいというニーズが、日本でのBOPIS普及を加速させた。

先駆けのウォルマートは3000店超に導入

 BOPISやClick&Collectのサービスを世間に広めたのは、小売り最大手の米ウォルマートとされる。同社は2016年ごろからサービスの提供を始め、既に3000店以上で導入している。受注した商品をロボットが短時間で集める仕組みなどを開発してきた。

 日本ではヨドバシカメラやユニクロ、カインズなど大手小売業を中心にBOPISが広がっている。ヨドバシカメラは店頭在庫をリアルタイムにECサイト上で公開。在庫があれば注文後最短30分で店舗受け取りが可能だ。

 近年は外食産業などにもBOPISが広がる。FOOD&LIFE COMPANIESは、回転ずし店「スシロー」で2019年にBOPISを開始。事前に商品を注文し、指定時間に店舗へ行くと持ち帰り専用ロッカーで商品を受け取れる。消費者の待ち時間のストレスを改善できるほか、新型コロナ感染リスクのある外食を避け自宅で食事をしたいとのニーズを取り込んだ。既に全約600店舗のうち200店舗以上にロッカーを設置している。

 ECでの販売をBOPISに限定する動きもある。衣料品大手のワークマンは、2027年3月期末までにECサイトで販売した商品の宅配を全廃し、BOPISのみにする方針を掲げる。店頭受け取りに一本化すれば、宅配向けの設備や人員が不要になり効率が良いと判断した。

 一方で、事業者がBOPISを手掛けるにはシステム面での対応が欠かせない。各店舗や倉庫の在庫のリアルタイム把握、顧客向けECサイトやスマートフォンアプリでのBOPIS注文受け付け、注文を受けた商品の取り置きなどの実装が必要だ。基幹システムとの連携や既存システムの刷新など、大規模なシステム改修が必要となることもある。