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 スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで買い物をした際に受け渡しをしていた紙レシートに代わり、スマートフォンの専用アプリケーション上でレシート情報を管理、閲覧できるサービス。東芝テックが2014年から「スマートレシート」、ログノートが2014年3月から「iReceipt(アイレシート)」を提供している。

 店舗に設置したPOS(販売時点情報管理)レジで、消費者のスマホのアプリに表示したバーコードを読み取り、購入品目や購入日時、購入店舗などのレシート情報をスマホの画面に表示する。収集したレシート情報は個人を特定できないようマスキング処理をした上で、電子レシートサービス事業者のデータセンターに保存する。個々の店舗や小売りチェーンなどが顧客囲い込みのため独自に提供するポイントカードやアプリサービスとは異なり、グループやチェーンを問わず小売りや外食など様々な店舗で利用できるようにすることを目指す。

 東芝テックは2018年2月に経済産業省の委託を受け、東京都町田市のミニストップや東急ハンズ、ウエルシア薬局など27の店舗で電子レシートの実証実験を実施した。この実験では、様々なベンダーのPOSレジで共通仕様の電子レシートを発行した。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を用いて家計簿アプリなどとデータを連係できるようにもした。経産省はこの実証実験の成果を基に、同年5月に標準電子レシートフォーマット仕様書や電子レシートAPI仕様書を公開している。

 電子レシートが普及すれば、消費者は日々の購買履歴を一元的に管理・把握できるようになる。普段使っている家計簿アプリとデータ連係が可能になることで、家計簿アプリへの入力作業も必要なくなる。紙のレシートを受け取る必要がないため、店員との接触を最小限に抑えることで新型コロナウイルスの感染予防にもつながる。

 店舗側は電子レシートのデータ活用の同意を得られた消費者を対象に、従来のポイントカードや独自アプリと同様、購買データを分析したり、クーポンの配布など販売促進活動に取り組んだりできる。電子レシートサービスの設計によっては、自社の店舗だけでなく他の店舗のデータも活用できる。他店舗も含めた性別や年齢別の購買状況などの統計データが利用できるため、より精度の高い販促活動に取り組める。

生活習慣病を防ぐ新たなサービスも

 新たな展開として、収集した購買データを生活習慣病の予防につなげるサービスの計画もある。東芝データは2020年7月に在宅医療や病院などの支援を手掛けるシーユーシーの子会社シーユーシー・アイデータとの協業を発表した。東芝データは東芝テックの電子レシートサービスを活用して個人の食に関連するデータを収集し、シーユーシー・アイデータが収集する健康診断データなどと掛け合わせ生活習慣病の予防を支援する。サービス開始は2021年4月を予定している。