PR

 IPv6はインターネットを支える基本プロトコルであるIPの最新バージョンである。IPはInternet Protocol、v6はversion 6の略。IPには、IPv6とIPv4(IP version 4)の2種類がある。

IPv6パケットの中身
IPv6パケットの中身
[画像のクリックで拡大表示]

IPv4アドレスの枯渇対策

 IPv6が作られたきっかけは、IPv4アドレスが枯渇するという懸念だった。IPv4のアドレス長は32ビット。割り当て可能なアドレス数は2の32乗、つまり約43億個である。これに対し、IPv6のアドレス長は128ビット。アドレス長は4倍だが、アドレス数は2の128乗とほぼ無尽蔵だ。

 IPv6の最初の仕様であるRFC1883が決められたのは1995年だが、本格的な運用は最近になって始まった。1個のアドレスを複数の端末で共用する「NAPT(Network Address Port Translation)」などの技術により、IPv4アドレスはなかなか枯渇しなかったからだ。

 それでも2011年にはIPv4アドレスを管理する国際団体であるIANA(Internet Assigned Numbers Authority)のアドレス在庫が枯渇し、プロバイダーやコンテンツ事業者、ネットワーク機器メーカーなどがIPv6の普及に本腰を入れ始めた。

アドレスの表記方法も異なる

 アドレスの表記方法もIPv6とIPv4では大きく異なる。

 IPv4アドレスを2進数で表記すると1や0が32個並ぶことになる。通常は人間が理解しやすいように、8ビット(1オクテット)ずつ4個に分け、それを10進数で表記している。

 これに対し、IPv6は1や0が128個も並ぶため、10進数よりもコンパクトに表記できる16進数を使う。

IPv6アドレス
IPv6アドレス
[画像のクリックで拡大表示]

 このほか、IPパケットの先頭にあるヘッダー部の情報を減らし、シンプルにしたこともIPv6の特徴だ。ヘッダー部からアドレスを除いた部分は、IPv4が96ビットだが、IPv6では64ビットと3割以上減っている。

 一方で、様々な拡張仕様を追加できるように、アドレス部の後にオプションで拡張ヘッダーを追加できる仕様になっている。