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 「eKYC」はオンライン上で完結する本人確認(KYC:Know Your Customer)の仕組みを指す。非対面によるオンライン金融サービスの利便性を高めると期待されており、金融機関やスマートフォン決済事業者などで採用が相次いでいる。

 マネーロンダリングを抑制する目的で2007年に成立した犯罪収益移転防止法(犯収法)は金融機関に対し、口座開設時などに本人確認(取引時確認)を義務付けている。非対面取引の場合、従来は本人確認のために公的に発行された「写真付き本人確認書類の写しの送付」と「転送不要郵便による住所確認」が必要だった。このため利用者がオンライン金融サービスをすぐに利用したいと思っても、郵便でやり取りする手間や時間がかかっていた。

 新たなニーズに対応するため、eKYCの手順を盛り込んだ改正犯収法が2018年11月に施行。これを機にeKYCの採用が広がった。

犯罪収益移転防止法の施行規則改正で可能となったeKYCの新手法
犯罪収益移転防止法の施行規則改正で可能となったeKYCの新手法
出所:日経FinTech
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 具体的には犯収法の施行規則の一部を改正し、以下の4種類の方式でeKYCを可能にした。(1)専用ソフトウエアを使って身分証および容貌を撮影(施行規則六条一項「ホ」)、(2)専用ソフトで身分証のICチップを読み取ったうえで容貌を撮影(同「へ」)。(3)専用ソフトで身分証の撮影かICチップの読み取りをしたうえで、銀行やクレジットカードの情報と照会(同「ト(1)」)、(4)専用ソフトで身分証の撮影かICチップの読み取りをしたうえで、銀行口座に振込をする(同「ト(2)」)。

 現在最も多いのは(1)だ。一部銀行は「ト(1)」の方法を採用している。eKYCを採用する金融機関や事業者はメリットがあると指摘する一方で、法改正から間もないこともあり、試行錯誤を続けている。