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 適応学習(アダプティブラーニング)とは、児童・生徒がデジタル教材を利用して学習した履歴データなどを活用し、一人ひとりの習熟度に応じて提示する演習問題の内容をカスタマイズするなどして、学びの質を高める手法のこと。国内スタートアップのCOMPASS(コンパス)が開発するデジタル教材「Qubena(キュビナ)」など、AI(人工知能)を活用してアダプティブラーニングを支援するサービスが登場している。ユーザーが入力した解答の正誤をAIが分析し、正解できなかった問題や類題を繰り返し表示する。

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 日本では文部科学省が2018年6月に発表した「Society 5.0に向けた人材育成 ~社会が変わる、学びが変わる~」で、「すぐにでも着手すべき課題」の1つとしてアダプティブラーニングの推進を挙げるなど、アダプティブラーニング推進の重要性を唱えている。

 その後、同省が2019年度に打ち出したGIGAスクール構想により、学校教育の現場でアダプティブラーニングを実現しやすい環境が整いつつある。同構想は「公正に個別最適化された学び」の実現を目指し、児童・生徒1人につき学習用端末を1台と学習用アカウントを整備した。これによって従来のように教員がクラス単位で授業を進めるだけでなく、児童・生徒が自分のペースで学習を進めやすくなった。

 またQubenaなどのツールの多くは、ユーザーである児童・生徒がなぜ問題を間違えたのか、原因を分析する機能を備える。教員にとって理解度を基に宿題を作成する際に有用なツールとして活用が見込める。

 COMPASSの佐藤潤取締役副社長はアダプティブラーニングの果たす意義について「アダプティブラーニングは、GIGAスクール構想が目指す学びの個別最適化を実現するために必要不可欠な手段の一つ」と語る。