IT分野のキーワードを図表を交えてやさしく解説します。

IT分野のキーワードを図表を交えてやさしく解説します。
DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散型自律組織)
DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは、ある目的を達成するための組織を、ブロックチェーン技術を使うことで特定のリーダーや管理者を置かずに参加者が協業して運営する形態を指す。日本語では分散型自律組織と訳される。
秘密計算(Secure Computing)
秘密計算とは、データを暗号化したまま計算処理ができる技術を指す。機密性の高いデータを復号することなく統合し、統計値などを算出できるのが特徴だ。国内ではNECやNTTが秘密計算を応用したサービスの開発などに取り組んでいる。
給与のデジタル払い(Salary Payments via Digital Wallets)
「給与のデジタル払い」とは、企業が従業員の給与の全部または一部をスマートフォン決済アプリなどのデジタルマネー口座宛てに支払うこと。現金や銀行口座への振り込みに加え2023年4月以降、デジタルマネーを取り扱う資金移動業者が管理する口座への支払いが可能になる。
能動的サイバー防御(Active Cyber Defense)
能動的サイバー防御とは、サイバー攻撃を受ける前に攻撃者の情報を収集したりネットワークを監視したりして、攻撃からシステムを守ること。新型コロナウイルス禍やウクライナ問題を背景に、政府機関や重要インフラ企業へのサイバー攻撃が増加していることを受け、各国で導入に向けた議論が進む。
ChatGPT
ChatGPTとは米OpenAI(オープンAI)が公開する対話型の言語モデルである。2022年11月にオープンAIが一般公開してから間もなく、様々なジャンルの話題に対し的確な返答をするとして話題となった。チャット形式の画面上で英語や日本語などの自然言語で質問すると、それらの質問に回答する。
適応学習(Adaptive Learning)
適応学習(アダプティブラーニング)とは、児童・生徒がデジタル教材を利用して学習した履歴データなどを活用し、一人ひとりの習熟度に応じて提示する演習問題の内容をカスタマイズするなどして、学びの質を高める手法のこと。AIを活用してアダプティブラーニングを支援するサービスが登場している。
仮想スレッド(Virtual Thread)
仮想スレッドはJava仮想マシン(Java VM)が生成する軽量なスレッドのこと。Java 19のプレビュー機能として実装された。CPUを共有し効率よく使用することでスループットの向上が期待できる。非同期処理におけるスレッドの管理が不要になり、保守性も向上する見込みだ。
プリハイジャック攻撃(Pre-hijacking Attacks)
「プリハイジャック攻撃」とは、特定のユーザーのアカウントを、そのユーザーが作成する前に乗っ取ってしまう攻撃手法である。米Microsoft(マイクロソフト)の研究者らが2022年5月に調査報告書を発表し、新たな攻撃手法として注目を集めた。「事前ハイジャック攻撃」などとも呼ばれる。
ソブリンクラウド(Sovereign Cloud)
情報セキュリティーや法令順守(コンプライアンス)の担保に加え、単一の国・地域内でのみ提供するなどして、他の国・地域の法令の影響を排除しデータ主権を担保したクラウドサービスを指す。「主権クラウド」や「データ主権クラウド」などと訳される。
基盤モデル(Foundation Models)
基盤モデルとは、大量の「ラベルなしデータ」を用意して「自己教師あり学習」を実施した大規模かつ汎用的なAI(人工知能)モデルを指す。大量のデータで学習させたためモデルの応用力が高く、用途に応じたカスタマイズが容易である点が特徴だ。
日程調整サービス(Schedule Adjustment Service)
取引先など社外のビジネスパーソンと、Web会議などの日時をオンラインで調整できる商用のクラウドサービス。日程調整ツールとも呼ばれる。複数の候補日時を自動的に伝えるなど、日程確定までメールのやり取りを繰り返す手間を省ける。
分散型アイデンティティー(Decentralized Identity)
「分散型アイデンティティー」とは、巨大IT企業など特定のIDプロバイダーに依存せず、サービス利用者が自身の意思でID(アイデンティティー)を管理できるようにする自己主権型の仕組みのこと。
DXリテラシー標準(DX Literacy Standards)
一人ひとりの働き手がDX(デジタル変革)を自分ごとと捉え、行動できるようにするため、身につけておくべき基本的なデジタルリテラシーをまとめたガイドライン。経済産業省が中心となり2022年3月に策定・公表した。
デジタルシティズンシップ(Digital Citizenship)
デジタルシティズンシップとは、デジタル機器やインターネットを活用して、市民が自身の力で身の回りや社会の課題を解決できるスキルを指す。欧米に続き日本国内でも新型コロナウイルス禍以降、学校教育にデジタルシティズンシップを採り入れる動きが出始めている。
差分プライバシー(Differential Privacy)
プライバシー保護の手法の1つ。個人データを含むデータベースから統計値などを抽出する際に、その数値に乱数を加えることで正確な値を秘匿する。これにより、抽出したデータと他の外部データを掛け合わせて特定個人のプライバシー情報を取り出すといった「攻撃」からデータを保護できる。
Trusted Web
「Trusted Web」とは、インターネットを使ってデータをやり取りする際、そのデータの信頼性に関する情報をあらかじめ埋め込むことを基本とする、次世代のインターネットインフラ構想。
HITL(Human in the Loop)
コンピューターシステムにおける判断や制御の一部に人間を介在させ、システムと人間が協調して課題解決を目指す考え方。HITLの一例として、飛行機や車の挙動を再現するフライトシミュレーター、ドライブシミュレーターなどのシステムにおいて、飛行機や車の操縦を人間が担当することなどがある。
非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network、NTN)
上空に飛ばした人工衛星や無人航空機から地表に電波を発信し、地上の基地局でカバーできない場所でも通信可能にするネットワークシステムのこと。砂漠や山岳部、海上など通信インフラが未整備のエリアや、広範囲で基地局が停止したエリアにおいて通信会社などが通信サービスを提供するのに使う。
連合学習(Federated Learning)
「連合学習」は、学習用データを1つの拠点やサーバーに集約することなく機械学習モデルを開発する手法。2017年に米Google(グーグル)が提唱した。個人情報に関わるデータや機密性の高いデータなど外部と共有できないデータを扱うモデルを、プライバシーを確保しながら開発する際に有用だ。
BOPIS(Buy Online,Pickup In Store)
消費者がEC(電子商取引)サイトで事前に注文した商品を、店頭で受け取れるサービスやシステムのこと。「ボピス」と読む。