トヨタ自動車やデンソー、アイシン精機が出資するソフトウエア開発会社のTRI-AD(トヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント)が、東京・日本橋の新オフィスを披露した。世界中から優秀なソフトウエアエンジニアを集め、「世界一安全なクルマを作る」コンセプトを掲げるTRI-ADにとって、新オフィス設立は重要な意味合いを持つ。
愛知県の豊田市にある「トヨタの本社オフィスではできないことがココではできる。海外の優秀な技術者でも働きたくなるような場所に仕上げた」─。トヨタから出向している担当者は自信を示す。
ソフトウエア技術者は、米国を中心に新興勢力のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に集まる傾向がある。新オフィスでは、トヨタ自動車シニアフェローで、TRI-ADのCEO(最高経営責任者)を務めるジェームス・カフナー氏(写真)が技術者と話しながら、設備から仕事内容まで、即断即決で進めていく。極めてフラットな組織だという。
クルマの室内空間やHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)を開発するチームは、開発ツールそのものを作る。トライ&エラーを繰り返しながら進めるため、速さと柔軟性が求められる。内覧会では海外の複数の技術者が英語で説明した。
一方、量産車への組み込みソフト開発部門は、緻密で何度も検証していくトヨタ自動車の働き方に近い。大胆さと緻密さの両方を備える組織だ。
新オフィスは単なるソフト拠点ではなく、トヨタ自動車の“変革の象徴”ともなりえる。自動運転時代のクルマ作りで“日本橋”が存在感を示せるかが問われている。
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