ドイツDaimler(ダイムラー)が2020年8月、中国の電池メーカーCATLと戦略的パートナーシップを強化すると発表した。メルセデスベンツ車の電池技術を共同開発する。乗用車から小型商用車向けの電池セル、モジュールおよび電池システムまで、広範囲の電池技術が対象だ。その中にはCATL独自の「cell-to-pack(CTP)」設計もある。これは、従来のモジュールという概念をなくし、セルを電池パックに直接組み込む技術である。
両社は、今後数年以内に導入する新世代の電池開発に取り組む。目標は、開発サイクルを短縮し、電池のエネルギー密度を向上させること。その結果、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の航続距離の延長、充電時間の短縮を実現する。
一方、メルセデスベンツは持続可能で気候中立なモビリティー事業を目指した経営計画「Ambition2039」に基づき、乗用車のカーボンニュートラルへの転換を推進している。将来の電動車生産のCO2排出量を最小限に抑えるため、CATLは電池をカーボンニュートラルで生産し、メルセデスベンツに供給する。具体的には生産する際の電力を、風力や太陽光、水力など再生可能エネルギーで発電した電力で賄う。再エネ由来の電力で生産することで、電池の生涯CO2排出量を30%以上削減できるという。
また、両社は2020年初めから、ブロックチェーン技術を使用した共同試験プロジェクトを立ち上げ、温暖化ガス排出量とリサイクル材料の使用割合について透明性を確保。次の段階では、使用済み電池のリサイクルで、希少金属原料などの採掘量を大幅に減らす計画だ。
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