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「炭素中立、順番を間違えるな」

JAMA会長の豊田章男氏
JAMA会長の豊田章男氏
(写真:JAMA)
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 「日本の自動車産業が持つ高効率エンジンとモーターの複合技術に、新しいカーボンニュートラル(炭素中立)燃料を組み合わせれば、保有車も含めた大幅な二酸化炭素(CO2)の削減が可能になる」。日本自動車工業会(JAMA)会長の豊田章男氏(トヨタ自動車社長)は2021年4月の定例会見でこう述べた。

 「今、日本では新車の電動化率が世界第2位の約35%だが、保有車約8000万台については電動化率が1割弱にとどまる。保有車に対しても手を打たなければ、日本は炭素中立を達成できない」(同氏)。「我々が目指すゴールは、あくまで“炭素中立”であり、その道は一つではない。今日本がやるべきことは、技術の選択肢を増やすことであり、ガソリン車やディーゼル車を禁止するような政策は、その選択肢を自ら狭め、日本の強みを失うことにもなりかねない」(同氏)と警鐘を鳴らす。

 海外が電気自動車(EV)へのシフトを打ち出す中で日本の自動車産業が取り残されてしまうのではないかといった指摘については、「EVの販売促進は最終的なゴールではない。新車やエンジン車だけを対象にした環境規制で技術の選択肢を狭めるのではなく、選択肢を広げていくことの方が先だ。順番を間違えてはいけない」(同氏)と指摘した。

ホンダ、40年にEV・FCV比率100%へ

ホンダ新社長の三部敏宏氏
ホンダ新社長の三部敏宏氏
(写真:ホンダ)
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 「2040年にEVと燃料電池車(FCV)の新車販売比率を世界で100%にする」。ホンダ新社長の三部敏宏氏は21年4月の社長就任会見でこう宣言した。「先進国全体では同比率を30年に40%、35年に80%に高める」(同氏)という。

 主力の北米市場では、提携関係にある米General Motors(ゼネラルモーターズ、GM)の電池を採用した2車種の大型EVを共同開発し、24年に両社で販売する。さらに、ホンダ独自のEVプラットフォーム「e:アーキテクチャー」を採用したEVを20年代後半から順次発売する。中国では今後5年で10車種のEVを投入するほか、日本では24年に軽自動車のEVを発売する。

トヨタ、スバルと共同開発の新型EV

トヨタ執行役員の前田昌彦氏
トヨタ執行役員の前田昌彦氏
(写真:トヨタ)
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 トヨタ自動車はSUBARU(スバル)と共同開発した中型SUV(多目的スポーツ車)タイプのEVコンセプト「bZ4X Concept」を2021年4月の「上海モーターショー」で公開した。

 同コンセプト車をベースとする量産車を22年半ばまでに世界で販売する。量産車はトヨタの新しいEV「bZ」シリーズの第1弾となる。トヨタとスバルなどが共同開発したEV専用プラットフォーム「e-TNGA(Toyota New Global Architecture)」を適用する。bZシリーズは中国や欧米などEVの需要が高い地域に照準を合わせ、「25年までに7車種を導入する」(トヨタ執行役員の前田昌彦氏)という。