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 黒鉛などの炭素系材料と混合・複合化しないシリコン(Si)を、車載用電池の負極に適用できるようにする—。その道筋を示す技術を開発したのが物質・材料研究機構(NIMS)エネルギー・環境材料研究拠点二次電池材料グループ主任研究員の太田鳴海氏らのグループだ。量産には課題を残すが、硫化物系の全固体電池におけるSi負極の実用化の可能性を期待させる。

 NIMSが開発したのは、硫化物系の全固体電池にSi負極を使う際に課題となるサイクル寿命を改善する技術だ。Siを緻密な膜として使うのではなく、膜の中に直径10n~50nmの空隙が多数存在するナノ多孔質膜として利用する。同空隙によってSiの膨張収縮で発生する応力を吸収するとともに、Siの粒子サイズをnmオーダーと小さくすることで膨張収縮で生じる応力そのものも減らす。